ワクチン接種を終えた人も ウイルスを他人に感染させる可能性が!
新型コロナのワクチン接種を受けたにもかかわらず、再び感染してしまうブレイクスルー感染が問題なっていますが、ブレイクスルー感染について興味深いことが、米ウィスコンシン大学のウイルス学者らによる実験で確かめられました。
今後の感染予防に役立つような成果です。
日経新聞の下記のサイトから要点だけまとめてみました。
デルタ株、ワクチン接種しても鼻腔で増殖 米で確認
新型コロナウイルスのデルタ株は、規定回数のワクチンを接種した人の鼻腔でも、ワクチンをまったく接種していないときと同じように増殖し、更に、増殖したウイルスが人に感染しうる点についても同程度だったことが、8月11日付けで発表された予備的研究の実験で確かめられました。
つまり、ワクチン接種を終えた人もウイルスを他人に感染させる可能性があるということが、実験で証明されたということです。
以前から、デルタ株にブレイクスルー感染(接種後感染)した場合、感染者の鼻に高濃度のウイルスが存在しうることは示されていましたが、その感染者から感染力のあるウイルスが排出されるかどうかが今回の実験で確かめられました。
デルタ株は極めて感染力が強く、免疫を回避してしまうため、非デルタ株に比べてワクチン接種後のブレイクスルー感染が起きやすくなっています。ところが、ブレイクスルー感染した人は、その多くが発症しないまま、知らずにウイルスをまき散らす可能性が高く警戒しなければならないということです。
それは新型コロナウイルスや人体の次のような性質にもよるようです。
新型コロナウイルスは鼻と上気道に感染します。ここは多量な抗体を長期間にわたって得ることが大変難しい場所です。免疫系は、これらの部位に高いレベルの量の抗体を作るようにはできていません。
それを踏まえ、実験方法をみてみます。
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科学者らは、鼻腔内にあるウイルスのRNAの量を調べるために、Ct値と呼ばれる基準値を採用した(編注:Ct値は、PCR検査でウイルス遺伝子を増幅させる際に、その量が一定値に達するまでに要した増幅回数。つまり、Ct値が低いほど検体中のウイルス遺伝子の量が多い)。
Ct値はウイルス量、つまり体内のウイルス粒子の数と関連する。ウイルス量が一定の値を超えると、感染者はウイルスを排出して他の人を感染させる可能性があると研究者らは推測する。
ウィスコンシン大学の研究では、いずれも検査で陽性反応を示したワクチン未接種の人とワクチン接種を完了した人、計719人を対象に、検査に使用した鼻腔用綿棒を分析した。その結果、対象となったブレイクスルー感染者の68%はCt値が25未満、つまりウイルス量が非常に多かったことがわかった。これは体内でウイルスが複製されている徴候だということです。
検体の鼻腔用綿棒に感染性のあるウイルスが存在するかどうかを確認するため、研究者らは、いずれも検査で陽性反応を示したワクチン接種済みの人と未接種の人、計55人の試料から採取したウイルスを、新型コロナウイルスに感染しやすい特殊な細胞内で培養した。その結果、ワクチン未接種の人の88%、接種済みの人の95%という、全員に近い人の試料で感染性のあるウイルスが検出された。
試料を細胞に接触させると、感染した細胞は死にます。これは、そこにウイルスが存在し、感染性があることをはっきり示しています。
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ワクチン接種を完了した人も、大量の感染性ウイルスを作り出すとしたら、ワクチン接種を受けていない人と同じくらいウイルスを広める可能性があることになります。
承認されたワクチンによって、新型コロナ感染症の重症化や死亡を防ぐことはできるものの、高齢者、免疫機能が低下している人、基礎疾患のある人では効果が大幅に低下します。
(また、ワクチン接種から時間が経過すると、中和抗体価が大幅に減少することも知られています。)
ですから、今後、ワクチンを接種済みの人の割合が増えたとしても、感染予防には、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、定期的な検査やワクチン接種などの基本的な衛生管理が、感染のスピードを遅らせ、重症化や死亡を防ぐ上で引き続き重要な役割を果たすことになります。


今後の感染予防に役立つような成果です。
日経新聞の下記のサイトから要点だけまとめてみました。
デルタ株、ワクチン接種しても鼻腔で増殖 米で確認
新型コロナウイルスのデルタ株は、規定回数のワクチンを接種した人の鼻腔でも、ワクチンをまったく接種していないときと同じように増殖し、更に、増殖したウイルスが人に感染しうる点についても同程度だったことが、8月11日付けで発表された予備的研究の実験で確かめられました。
つまり、ワクチン接種を終えた人もウイルスを他人に感染させる可能性があるということが、実験で証明されたということです。
以前から、デルタ株にブレイクスルー感染(接種後感染)した場合、感染者の鼻に高濃度のウイルスが存在しうることは示されていましたが、その感染者から感染力のあるウイルスが排出されるかどうかが今回の実験で確かめられました。
デルタ株は極めて感染力が強く、免疫を回避してしまうため、非デルタ株に比べてワクチン接種後のブレイクスルー感染が起きやすくなっています。ところが、ブレイクスルー感染した人は、その多くが発症しないまま、知らずにウイルスをまき散らす可能性が高く警戒しなければならないということです。
それは新型コロナウイルスや人体の次のような性質にもよるようです。
新型コロナウイルスは鼻と上気道に感染します。ここは多量な抗体を長期間にわたって得ることが大変難しい場所です。免疫系は、これらの部位に高いレベルの量の抗体を作るようにはできていません。
それを踏まえ、実験方法をみてみます。
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科学者らは、鼻腔内にあるウイルスのRNAの量を調べるために、Ct値と呼ばれる基準値を採用した(編注:Ct値は、PCR検査でウイルス遺伝子を増幅させる際に、その量が一定値に達するまでに要した増幅回数。つまり、Ct値が低いほど検体中のウイルス遺伝子の量が多い)。
Ct値はウイルス量、つまり体内のウイルス粒子の数と関連する。ウイルス量が一定の値を超えると、感染者はウイルスを排出して他の人を感染させる可能性があると研究者らは推測する。
ウィスコンシン大学の研究では、いずれも検査で陽性反応を示したワクチン未接種の人とワクチン接種を完了した人、計719人を対象に、検査に使用した鼻腔用綿棒を分析した。その結果、対象となったブレイクスルー感染者の68%はCt値が25未満、つまりウイルス量が非常に多かったことがわかった。これは体内でウイルスが複製されている徴候だということです。
検体の鼻腔用綿棒に感染性のあるウイルスが存在するかどうかを確認するため、研究者らは、いずれも検査で陽性反応を示したワクチン接種済みの人と未接種の人、計55人の試料から採取したウイルスを、新型コロナウイルスに感染しやすい特殊な細胞内で培養した。その結果、ワクチン未接種の人の88%、接種済みの人の95%という、全員に近い人の試料で感染性のあるウイルスが検出された。
試料を細胞に接触させると、感染した細胞は死にます。これは、そこにウイルスが存在し、感染性があることをはっきり示しています。
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ワクチン接種を完了した人も、大量の感染性ウイルスを作り出すとしたら、ワクチン接種を受けていない人と同じくらいウイルスを広める可能性があることになります。
承認されたワクチンによって、新型コロナ感染症の重症化や死亡を防ぐことはできるものの、高齢者、免疫機能が低下している人、基礎疾患のある人では効果が大幅に低下します。
(また、ワクチン接種から時間が経過すると、中和抗体価が大幅に減少することも知られています。)
ですから、今後、ワクチンを接種済みの人の割合が増えたとしても、感染予防には、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、定期的な検査やワクチン接種などの基本的な衛生管理が、感染のスピードを遅らせ、重症化や死亡を防ぐ上で引き続き重要な役割を果たすことになります。


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