原発処理水の海洋放出の報道が変です!!
前々回の記事で、福島第一原発の処理水の海洋放出のことをお伝えしましたが、その後、今月13日に政府は海洋放出することを決定しました。
これについて、マスコミはこぞって報道をはじめたのですが、ほとんどの報道は概ね次のような内容でした。
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原発汚染水は、多核種除去装置(ALPS)で処理され、ほとんどの放射性物質が取り除かれているが、トリチウムは除去できずに残存している。
その処理水を海洋に放出するにあたっては、放出前に処理水を海水で100倍以上に希釈し、国の基準値の40分の1程度、世界保健機関(WHO)の飲料水水質ガイドラインの7分の1程度にトリチウムの濃度を薄める。1年間に放出するトリチウムの量が事故前の福島第1原発で設定していた目安を下回るようにする。
トリチウムは自然界にも存在し、日本はもとより世界各国の原発施設からも、大気や海洋に放出されているもので、環境への影響がない。
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このようなことを踏まえて、トリチウムのモニタリングだとか福島の生産物の風評被害対策などに話が及ぶのですが、何かおかしいと思いませんか。
第一に、トリチウムは自然界にも存在し、これまでも各国の原発が放出しているので問題なと言いながら、なぜ基準値より大幅に低く希釈する必要があるのでしょうか。他の核種が高濃度で含まれているので希釈する必要があるとしか考えられません。
しかも海水で100倍に希釈して海に流すとは、どういうことなのでしょうか?
海に流してしまえば、いくら高濃度の処理水を流したとしても無限に希釈されてしまいます。海水の量が増加するわけではありませんし、長期間流し続ければ、それだけ濃度が高くなるはずです。詭弁としか言いようがありません。
政府と東京電力が言っていることを、そのまま報道していると思われますが、一言にまとめれば、処理水で問題となるのはトリチウムで、世界各国の原発でも海洋放出しているから問題ないということに単純化して、肝心なことから目を背けさせようとしているとしか思えません。
世界各国の原発からもトリチウムが放出されているというマスコミの説明で、世界地図にその場所と放出量を示しているのを見ましたが、これってなんの意味があるのでしょうか?!
通常の制御されている原発では、燃料棒は被膜に覆われ、冷却水が直接、燃料棒に触れることはありません。そこからの排水ですから多くの核種の放射性物質が含まれることはありません。
しかし、福島第1原発の場合は、水素爆破とプルサーマル3号機の核爆発によって、燃料棒が溶け落ちデブリとなった放射性物質がむき出しの状態を冷却した水と、原子炉建屋およびタービン建屋内に流入した地下水が混ざり合うことで発生した汚染水を、多核種除去装置(ALPS)で処理したものですから、それとは大きく異なります。
2018年8月のメディアのスクープにより、処理水にはヨウ素129、ルテニウム106、ストロンチウム90などそれ以外の核種も基準を超えて残存することが明らかになりました。その後の東電の発表により、現在タンクにためられている水の約7割で、トリチウム以外の62の放射性核種の濃度が全体として排出基準を上回っており、最大で基準の2万倍となっています。東電は海洋放出する場合は二次処理を行い、これらの放射性核種も基準値以下にするとしています。
ところが、東京電力が2020年12月24日に公表した資料によると、処理水を二次処理してもトリチウム以外に12の核種を除去できないことがわかっています。二次処理後も残る核種には、半減期が長いものも多く、ヨウ素129は約1570万年、セシウム135は約230万年、炭素14は約5700年です。
トリチウムは、水素の同位体である「三重水素」で、半減期は12.32年で、ベータ崩壊する際の放出するエネルギーは小さく、最大で18.6keVで、セシウム 137 の最大値512keVの30分の1程度です。
そうであっても安全とは言えません。トリチウムの人体への影響はこれまでも指摘されてきています。
原発処理水の海洋放出をしようとしている愚かな政府
他の核種と比べ相対的に人体へに影響が少ないと考えられるトリチウムだけに注目させて誤魔化しているとしか思えません。
タンクにたまり続ける処理水を放出ということですが、タンクにたまっている処理水を放出して、それで終わりということはありません。廃炉作業が完了しない限り、汚染水は永遠に出続けます。一度、海に放出しはじめればキリがありません。
今月1日 福島県南相馬市鹿島区沖の水深37メートルの水域で獲れたクロソイから、1キログラムあたり270ベクレル(Bq)のセシウムが検出されています。これは、日本政府が定めた食品の許容限度(1キログラムあたり100Bq)の2.7倍に相当します。
2月22日にも、福島県新地町の海岸で獲れたクロソイから、1キロクラムあたり500Bqのセシウムが検出されています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/79db48e1c34138fd19cd6817a748507c75cbf6ba
処理水は、まだ放出していないはずですから、汚染水が原発敷地内から海洋にしみ出しているのかもしれません。
このままでは近い将来、美味しい海産物や寿司が食べられなくなる日が来るかもしれません。


これについて、マスコミはこぞって報道をはじめたのですが、ほとんどの報道は概ね次のような内容でした。
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原発汚染水は、多核種除去装置(ALPS)で処理され、ほとんどの放射性物質が取り除かれているが、トリチウムは除去できずに残存している。
その処理水を海洋に放出するにあたっては、放出前に処理水を海水で100倍以上に希釈し、国の基準値の40分の1程度、世界保健機関(WHO)の飲料水水質ガイドラインの7分の1程度にトリチウムの濃度を薄める。1年間に放出するトリチウムの量が事故前の福島第1原発で設定していた目安を下回るようにする。
トリチウムは自然界にも存在し、日本はもとより世界各国の原発施設からも、大気や海洋に放出されているもので、環境への影響がない。
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このようなことを踏まえて、トリチウムのモニタリングだとか福島の生産物の風評被害対策などに話が及ぶのですが、何かおかしいと思いませんか。
第一に、トリチウムは自然界にも存在し、これまでも各国の原発が放出しているので問題なと言いながら、なぜ基準値より大幅に低く希釈する必要があるのでしょうか。他の核種が高濃度で含まれているので希釈する必要があるとしか考えられません。
しかも海水で100倍に希釈して海に流すとは、どういうことなのでしょうか?
海に流してしまえば、いくら高濃度の処理水を流したとしても無限に希釈されてしまいます。海水の量が増加するわけではありませんし、長期間流し続ければ、それだけ濃度が高くなるはずです。詭弁としか言いようがありません。
政府と東京電力が言っていることを、そのまま報道していると思われますが、一言にまとめれば、処理水で問題となるのはトリチウムで、世界各国の原発でも海洋放出しているから問題ないということに単純化して、肝心なことから目を背けさせようとしているとしか思えません。
世界各国の原発からもトリチウムが放出されているというマスコミの説明で、世界地図にその場所と放出量を示しているのを見ましたが、これってなんの意味があるのでしょうか?!
通常の制御されている原発では、燃料棒は被膜に覆われ、冷却水が直接、燃料棒に触れることはありません。そこからの排水ですから多くの核種の放射性物質が含まれることはありません。
しかし、福島第1原発の場合は、水素爆破とプルサーマル3号機の核爆発によって、燃料棒が溶け落ちデブリとなった放射性物質がむき出しの状態を冷却した水と、原子炉建屋およびタービン建屋内に流入した地下水が混ざり合うことで発生した汚染水を、多核種除去装置(ALPS)で処理したものですから、それとは大きく異なります。
2018年8月のメディアのスクープにより、処理水にはヨウ素129、ルテニウム106、ストロンチウム90などそれ以外の核種も基準を超えて残存することが明らかになりました。その後の東電の発表により、現在タンクにためられている水の約7割で、トリチウム以外の62の放射性核種の濃度が全体として排出基準を上回っており、最大で基準の2万倍となっています。東電は海洋放出する場合は二次処理を行い、これらの放射性核種も基準値以下にするとしています。
ところが、東京電力が2020年12月24日に公表した資料によると、処理水を二次処理してもトリチウム以外に12の核種を除去できないことがわかっています。二次処理後も残る核種には、半減期が長いものも多く、ヨウ素129は約1570万年、セシウム135は約230万年、炭素14は約5700年です。
トリチウムは、水素の同位体である「三重水素」で、半減期は12.32年で、ベータ崩壊する際の放出するエネルギーは小さく、最大で18.6keVで、セシウム 137 の最大値512keVの30分の1程度です。
そうであっても安全とは言えません。トリチウムの人体への影響はこれまでも指摘されてきています。
原発処理水の海洋放出をしようとしている愚かな政府
他の核種と比べ相対的に人体へに影響が少ないと考えられるトリチウムだけに注目させて誤魔化しているとしか思えません。
タンクにたまり続ける処理水を放出ということですが、タンクにたまっている処理水を放出して、それで終わりということはありません。廃炉作業が完了しない限り、汚染水は永遠に出続けます。一度、海に放出しはじめればキリがありません。
今月1日 福島県南相馬市鹿島区沖の水深37メートルの水域で獲れたクロソイから、1キログラムあたり270ベクレル(Bq)のセシウムが検出されています。これは、日本政府が定めた食品の許容限度(1キログラムあたり100Bq)の2.7倍に相当します。
2月22日にも、福島県新地町の海岸で獲れたクロソイから、1キロクラムあたり500Bqのセシウムが検出されています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/79db48e1c34138fd19cd6817a748507c75cbf6ba
処理水は、まだ放出していないはずですから、汚染水が原発敷地内から海洋にしみ出しているのかもしれません。
このままでは近い将来、美味しい海産物や寿司が食べられなくなる日が来るかもしれません。


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