中身のない首相会見
つい先ほど、厚生労働省から、「新型コロナ対策のための全国調査」というLINEが届きました。
発熱やのどの痛み…、といったコロナの症状がないか尋ねるものと、1週間以内に医療機関にかかったことがあるか、年齢、大まかな住所を訪ねるものでした。
既に感染が全国的に広がっている今頃になって、厚労省はどうしたのでしょうか?
オリンピックの延期が決定した後になって、いきなり東京の感染者数が増加し、それに合わせたかのように、それまで音沙汰のなかった小池都知事が、突然、メディアに登場するようになったのも不思議なことです。
オリンピックを優先するために、数字が低く抑え込まれていたのではないかという疑念が強まります。
一方、安倍首相ですが、28日の記者会見で、再び、学校一斉休校のような驚きの対策でも発表してくれるかと見ていましたが、まったく具体的な対策が示されませんでした。そればかりか、プロンプターを読むだけで、コロナを封じ込めるという強いメッセージが伝わってきませんでした。
何しろプロンプターを見ようと、不自然に斜め横を見るばかりで、正面のカメラを見ることはほとんどないので、誰に向かって発言しているのかと言いたくなります。
自分の言葉でカメラを見て話している都道府県知事の会見の方が、ずっとマシです。
記者の質問も、「回答は事前に準備され、当てる順番まで決まっていた」ということですので、形式だけの会見です。
東京新聞の2020年3月18日の夕刊の「ウイルス禍と文化」という特集で、「首相会見の異常さ放置して何がジャーナリズムか」という見出しの評論記事に同感です。
全文は下記のサイトをご覧ください。
安倍首相の会見について述べている部分を抜粋して掲載します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
首相会見の異常さ放置して何がジャーナリズムか(「東京新聞」記事転載と追加の議論) より
首相会見とは、国民の命や生活に最大の権限を持つ人が公正に判断しているか直接本人の説明を得て検証するためのものだ。私たちに最も重要な問題を選び、効率的に回答を引き出せるという前提で記者に代表してもらっている。首相が正面から答えず、充分な説明時間を取らなければ、毅然と抗議し納得のいく答えを引き出す行動を私たちは当然期待していい。
権力者は都合の悪いことを詳しく話したがらない。取材と洞察力でそこを突き、真実を明らかにすることを期待している。質問内容を事前に知らせていいのは、正確を期してデータを参照する場合などだけなのは小学生でもわかる。
苦しい弁明には「はぐらかし」も増える。二の矢、三の矢の質問で迫ることは「権力の監視」に不可欠な条件だ。これがないので「桜を見る会」では国会論戦の方がいい仕事をしているように見えている。
(中略)
リーダーがメモを読まず、自分の言葉で私たちに説得を試みる会見を見たい。私たちの心配事なのに勉強不足で答えに詰まるとか、反対に意地悪な質問に絶妙の切り返しで知性を見せるのも重要な情報だ。そして記者も追及が甘いと批判されるような緊張感のある場だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
記者会見は、確かに、このように行われることが理想なのですが、安倍首相の場合は、それがさらなる重大な問題を引き起こしかねません。
とにかく、知識が乏しいのに上から目線で偉そうなことを宣うので、矛盾や痛いところを突かれると、ついムキになって、出まかせの嘘やデタラメで凌ごうとします。その問題発言を正当化するために、後々、行政内での文書の改ざん、隠蔽を余儀なくされるという、いつものパターンが待ち受けています。
プロンプターを読ませ、質問は事前通告以外受け付けないようにした方が、一番、無難ではないかと、首相周辺は考えているのではないでしょうか。
さて、安倍首相は、3月28日、首相官邸で記者会見し、新型コロナの治療薬として、「アビガン」を正式承認する考えを表明しました。しかし、重症患者に優先的にPCT検査を実施して診断を確定するという、現行の政府の方針では、まったく使い物にならないでしょう。
何しろ、発症6日までにアビガン治療を開始すれば、ウイルスの早期消失、咳の軽減、肺炎の進行や重症化が阻止され、それにより死亡率が激減するらしいです。さらに、若年者でも肺炎の後遺症である線維化や瘢痕(はんこん)化を最小限にすることができ、将来の呼吸機能の低下が避けられるそうです。
とにかく、発症後6日にはアビガン治療を開始することが重要なのです。
厚労省が言うように、4日間、発熱の様子を見て、それから受診、検査では、あっという間に6日間が過ぎてしまいます。
■NEWS 新型コロナ治療薬として「アビガン」正式承認へ─安倍首相が「治験プロセス開始」を表明
緊急寄稿(2)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療候補薬アビガンの特徴(白木公康)
とにかく、何事に関しても、深く理解せずに、聞きかじった知識だけで、場当たり的な対応をするのだけは、やめていただきたいです。
諸外国と比べても、日本だけが検査数が異常に少ないです。軽症のうちから広く検査することこそが、感染拡大を防ぐ重要な手段であることは明白です。「アビガン」を承認すらなら、検査の拡大も同時にしなければ意味がありません。


発熱やのどの痛み…、といったコロナの症状がないか尋ねるものと、1週間以内に医療機関にかかったことがあるか、年齢、大まかな住所を訪ねるものでした。
既に感染が全国的に広がっている今頃になって、厚労省はどうしたのでしょうか?
オリンピックの延期が決定した後になって、いきなり東京の感染者数が増加し、それに合わせたかのように、それまで音沙汰のなかった小池都知事が、突然、メディアに登場するようになったのも不思議なことです。
オリンピックを優先するために、数字が低く抑え込まれていたのではないかという疑念が強まります。
一方、安倍首相ですが、28日の記者会見で、再び、学校一斉休校のような驚きの対策でも発表してくれるかと見ていましたが、まったく具体的な対策が示されませんでした。そればかりか、プロンプターを読むだけで、コロナを封じ込めるという強いメッセージが伝わってきませんでした。
何しろプロンプターを見ようと、不自然に斜め横を見るばかりで、正面のカメラを見ることはほとんどないので、誰に向かって発言しているのかと言いたくなります。
自分の言葉でカメラを見て話している都道府県知事の会見の方が、ずっとマシです。
記者の質問も、「回答は事前に準備され、当てる順番まで決まっていた」ということですので、形式だけの会見です。
東京新聞の2020年3月18日の夕刊の「ウイルス禍と文化」という特集で、「首相会見の異常さ放置して何がジャーナリズムか」という見出しの評論記事に同感です。
全文は下記のサイトをご覧ください。
安倍首相の会見について述べている部分を抜粋して掲載します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
首相会見の異常さ放置して何がジャーナリズムか(「東京新聞」記事転載と追加の議論) より
首相会見とは、国民の命や生活に最大の権限を持つ人が公正に判断しているか直接本人の説明を得て検証するためのものだ。私たちに最も重要な問題を選び、効率的に回答を引き出せるという前提で記者に代表してもらっている。首相が正面から答えず、充分な説明時間を取らなければ、毅然と抗議し納得のいく答えを引き出す行動を私たちは当然期待していい。
権力者は都合の悪いことを詳しく話したがらない。取材と洞察力でそこを突き、真実を明らかにすることを期待している。質問内容を事前に知らせていいのは、正確を期してデータを参照する場合などだけなのは小学生でもわかる。
苦しい弁明には「はぐらかし」も増える。二の矢、三の矢の質問で迫ることは「権力の監視」に不可欠な条件だ。これがないので「桜を見る会」では国会論戦の方がいい仕事をしているように見えている。
(中略)
リーダーがメモを読まず、自分の言葉で私たちに説得を試みる会見を見たい。私たちの心配事なのに勉強不足で答えに詰まるとか、反対に意地悪な質問に絶妙の切り返しで知性を見せるのも重要な情報だ。そして記者も追及が甘いと批判されるような緊張感のある場だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
記者会見は、確かに、このように行われることが理想なのですが、安倍首相の場合は、それがさらなる重大な問題を引き起こしかねません。
とにかく、知識が乏しいのに上から目線で偉そうなことを宣うので、矛盾や痛いところを突かれると、ついムキになって、出まかせの嘘やデタラメで凌ごうとします。その問題発言を正当化するために、後々、行政内での文書の改ざん、隠蔽を余儀なくされるという、いつものパターンが待ち受けています。
プロンプターを読ませ、質問は事前通告以外受け付けないようにした方が、一番、無難ではないかと、首相周辺は考えているのではないでしょうか。
さて、安倍首相は、3月28日、首相官邸で記者会見し、新型コロナの治療薬として、「アビガン」を正式承認する考えを表明しました。しかし、重症患者に優先的にPCT検査を実施して診断を確定するという、現行の政府の方針では、まったく使い物にならないでしょう。
何しろ、発症6日までにアビガン治療を開始すれば、ウイルスの早期消失、咳の軽減、肺炎の進行や重症化が阻止され、それにより死亡率が激減するらしいです。さらに、若年者でも肺炎の後遺症である線維化や瘢痕(はんこん)化を最小限にすることができ、将来の呼吸機能の低下が避けられるそうです。
とにかく、発症後6日にはアビガン治療を開始することが重要なのです。
厚労省が言うように、4日間、発熱の様子を見て、それから受診、検査では、あっという間に6日間が過ぎてしまいます。
■NEWS 新型コロナ治療薬として「アビガン」正式承認へ─安倍首相が「治験プロセス開始」を表明
緊急寄稿(2)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療候補薬アビガンの特徴(白木公康)
とにかく、何事に関しても、深く理解せずに、聞きかじった知識だけで、場当たり的な対応をするのだけは、やめていただきたいです。
諸外国と比べても、日本だけが検査数が異常に少ないです。軽症のうちから広く検査することこそが、感染拡大を防ぐ重要な手段であることは明白です。「アビガン」を承認すらなら、検査の拡大も同時にしなければ意味がありません。


- 関連記事
スポンサーサイト