政治と司法

新型コロナ対応でも 検事長の定年延長でも 破綻している政府の対応

新型コロナを巡る政府の対応を見ていると、いったいこの国の政府は何を考えているのかと、疑問に思うことばかりです。
症状が出て困っている患者に必要な検査を受けさせない、実態が分からないままに、家族や周囲にウィルスをまき散らし、さらなる感染が広がるという悪循環に陥っています。
PCR検査ができる数が限られているということを未だに言っている御用ジャーナリストや政府関係者がいますが、民間の検査会社を利用すれば、大量の検査が可能です。この時期になって政府は、PCR検査に保険適用を検討していると言い出しましたが、対応が遅すぎます。
韓国では感染者数が急激に増加していますが、それは韓国の検査体制が整っており、日本より遥かに多くの人が検査を受けているからに他なりません。日本でも、検査を積極的に受けさせている自治体では、感染者数も多くなっています。


何ごとにつけても、これまでデータの改竄、隠蔽、誤魔化しで乗り切ってきた安倍政権ですので、今回の新型コロナの問題も、検査を制限することで感染者数を誤魔化せるとでも思っていたのでしょうか。
相手は正体不明のウィルスです。人事で制御可能な忖度していくれる官僚とは違うのです。まったく考えていることが稚拙で甘いとしか言いようがありません。
もはや、安倍政権においては、国家の体を成していないのではないかと思わざるを得ません。


それに付け加え、当ブログが主張してきたことと重なりますが、黒川検事長の定年延長問題から、日本はまともな法治国家ではないということが、強く裏付けられました。

政権の番犬として暗躍してきた黒川検事長の定年延長を、国家公務員法に基づいて閣議決定したことについて、立憲民主党の山尾志桜里氏が、今月10日の衆院予算委員会で、国家公務員法の定年延長規定は検察官に適用されないとした、81年4月の人事院の見解を紹介し、閣議決定との整合性をただしました。
これについて、人事院の松尾恵美子給与局長は、12日、1981年の衆議院内閣委員会で人事院が「検察官は(検察庁法で)既に定年が定められており、今回の定年制は適用されない」と答弁たことを引き合いに、「現在まで特に議論はなく、解釈は引き継いでいる」と述べました。
ところが、13日に首相が解釈変更に言及すると、19日には、松尾局長は法解釈の変更を了承したと答弁を修正しました。しかも、「(12日は)つい言い間違えた」と信じられないような言い訳をしています。


このようなプロセスを、これまで何度、見せつけられてきたことでしょうか。
安倍首相の嘘つき、デタラメ答弁に、官僚たちが右往左往し、挙句は文書の改竄、隠蔽へと発展していく、いつものパターンです。


官僚や大臣の答弁が二転三転し迷走している黒川検事長の定年延長問題ですが、これに終止符を打つ決定的な文書が見つかったようです。

国家公務員法改正案が国会で審議されていた1980年当時に、総理府人事局が「(検察官の)勤務延長は除外される」と明記した文書が、小西洋之参議院議員によって、国立公文書館で発見されました。

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文書は、内閣法制局がまとめた法律案審議録にとじて保管されている「国家公務員法の一部を改正する法律案(定年制度)想定問答集」と題された80年10月のもの。
文書では「検察官、大学の教員については、年齢についてのみ特例を認めたのか。それとも全く今回の定年制度からはずしたのか」という問いに、「定年、特例定年、勤務の延長及び再任用の適用は除外されることとなるが、第81条の5の定年に関する事務の調整等の規定は、検察官、大学の教員についても適用されることとなる」としている。

「勤務延長、検察官は除外」 1980年の文書が見つかる 検事長定年延長
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ということは、安倍首相は、法的根拠に基づかないデタラメな解釈を行ったということになります。

この問題に関して「日刊ゲンダイ」が、「この国はいつも政治と司法が一体だった」ということで、マスコミと司法の関係についても、とても良いことを書いていますので、そのまま紹介します。
日本がまともな近代民主主義国家、法治国家として機能してこなかった根本的な原因がここにあるということが、よく分かります。

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権力と一体化してきた司法 今さら黒川人事批判に違和感 戦後日本に一貫して存在しなかった三権分立(日刊ゲンダイ) より

戦後日本に一貫して存在しなかった三権分立
政権に都合のいい恣意的な人事と法解釈がまかり通れば、法治国家とその社会は成立しない。

「さも行政府である内閣が法解釈を変更できるような雰囲気がはびこっていますが、法の規定は立法府の国会に無断で簡単には覆せません。まず法を改めるべきで、今回の閣議決定は憲法41条の『国会は国の唯一の立法機関』に反する違憲行為。こんなむちゃくちゃな人事が許されたら、戦後民主主義はおしまいです」(政治評論家・森田実氏)

守護神の定年延長は糾弾されるべきで、珍しく大マスコミもまっとうに批判している。だが、日頃の素行が悪いため、素直には認められない。この国の検察は常にきちんと独立した正義の味方だったのか。いつも政治と司法は一体で、その先棒担ぎを担ってきたのが、大マスコミではないか。

田中角栄元首相の側近だった石井一・元自治相は21日付の本紙「注目の人直撃インタビュー」で〈ロッキード事件の“主犯”は中曽根元首相〉と指摘。日中正常化に先んじた角栄を毛嫌いしたキッシンジャー米国務長官、金権批判で総理となった三木武夫氏、三木内閣で幹事長だった中曽根氏ら〈さまざまな思惑が重なって引き起こされた冤罪事件〉と言い切っていた。

そして〈事件の底流には政治的意図があり、その意図に沿って検察が動く。検察が作り上げたストーリーをマスコミが喧伝し、大悪党に仕立て上げられてしまう〉と喝破した。彼自身、09年の「郵便不正事件」で冤罪に陥りかけた経験があるだけに、説得力がある。

政権交代間際に小沢一郎議員を狙い撃ちにするなど、政治と司法が表裏一体となった「国策捜査」の伝統は現在も生きている。1審判決が下った森友学園の籠池夫妻による補助金詐欺事件が、いい例だ。政権に逆らった籠池泰典前理事長には見せしめのごとく懲役5年の実刑を言い渡す。一方、森友事件の「本丸」である国有地の不当な値下げ、その経緯を記した公文書改ざんに関与した財務省の佐川宣寿理財局長(当時)らは、刑事責任を一切問われない。

目先の批判だけだから政権にナメられる
黒川氏の定年延長に対し、全国の検察トップが一堂に会する「検察長官会同」で「検察は不偏不党でやってきた。このままでは検察への信頼が疑われる」との意見が出たそうだ。本当に検察は「不偏不党」を貫いてきたのか。胸に手を当てて考えた方がいい。

 腐敗のあまり、逃亡犯の日産前会長のカルロス・ゴーン被告にまで「ルノー傘下入りを排除した国策捜査」と言い張られても、一定の理があると感じられるのだ。法大名誉教授の須藤春夫氏(メディア論)が言う。

「国策捜査のたび、メディアはネタ欲しさの習性により検察のリークに飛びつき、権力に都合のいい筋書きを仕立て上げてきました。ゴーン被告の逃亡によって国際的に批判の的となった『人質司法』を放置してきたのも、メディアです。今回はやり方が露骨で極めて無理筋だから追及しやすいだけで、メディアに政治と司法の一体化を捉え直す発想は感じられません。常に目先のことを批判するだけだから、また、視点をズラせば支持率は上がると政権側にナメられてしまうのです」

そんな大マスコミが黒川氏の定年延長にだけ正論をかざすなんて噴飯モノ。片腹痛いとしか言いようがない。前出の森田実氏はこう言った。

「戦後日本の三権分立は幻想で、司法は一貫して政治に従属してきました。その根本問題をなぜ、メディアは追及してこなかったのか。メディアがそれを容認してきたからこそ、安倍政権も違憲行為を平然とやってのけるのです。今回の人事は極めて重要な問題で、それこそメディアは政権打倒の論陣を張らなければ嘘ですよ」

大マスコミには、7年に及ぶ政権のデタラメを許してきた責任にケジメをつけて欲しい。

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