暴露合戦で自滅を早める安倍政権
前回の記事では、安倍政権の下では様々な不祥事が噴出しながらも、警察官僚の暗躍により、事件を表面化させないことで政権維持を図ってきたという実態についてお伝えしています。
政権の走狗としての司法が、不都合な人物を排除するための事件のでっち上げや、握り潰し、論理的根拠に乏しい不毛な行政裁判によって政権維持のための売国政策の実現に貢献する一方で、警察は、監視カメラや盗聴、ネット監視を駆使した情報収集で国民を監視し、国民の自由な言論、行動、思想を抑えつけるということが現実のものとなりつつあります。さらには、政敵の弱みを握り、歯向かう者を排除することにも力を発揮しそうだというのが、まとめでした。
中村氏の警察庁次長就任は 秘密警察が暗躍する「安倍帝国」のはじまり?!
「警察国家」のようなことが、すでに起こっているという趣旨でしたが、このようなことが、国民に向けての対策や、特定の政治家に対する圧力として作用するのではなく、官邸内での権力争いにも威力を発揮している様子が、下記の記事からうかがえます。
官邸内の暗闘<本澤二郎の「日本の風景」(3577)
このところ、安倍政権内でのスキャンダルが次々と明るみになっていますが、その原因は、官邸のナンバーワンとナンバーツーの死闘、つまり安倍首相と菅官房長官のスキャンダル暴露合戦によるものだというのですから、思わず納得してしまいます。
検察や警察といった国家権力と、政権との癒着を再確認するような内容です。
『安倍「桜」事件で死に体に追い込まれた晋三をこれ幸いとばかり、人事で主導権を確保した菅ー二階組のクーデターと分析すると、実に分かりやすい。』ということのようです。
つまり、「安倍 vs 菅、二階」という構図を頭の片隅に入れて経緯をたどってみます。
「桜」事件でよろめいてしまった首相の様子に、連携する二階氏と菅氏が「もう安倍はいいだろう」とクーデター計画を始動させたことから、合戦は始まったようです。
「幹事長を交代させたい」という安倍首相に対して、菅氏は体を張って阻止し、菅氏は二階氏を留任させることに成功させると、今度は二階派兼菅派の河井克行氏と菅原一秀氏の二人を法務大臣と経産大臣に押し込むことにも成功しています。
菅氏が、法務大臣を自分の派閥から出すことにこだわった背景には、菅氏による検事総長人事が核心にあったといわれています。
予備知識として、次のことを知っていると理解が深まります。
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清和会には、天下人は検事総長を握れ、という内々の伏線・約束事が存在する。それは清和会創設者の福田赳夫が、戦後の汚職事件に絡んで逮捕されたという苦い経験からきている。
政局のカギを握る検事総長というのも、清和会独特の思想である。検察官僚も心得たもので、検事総長を狙うものは、まずは官邸とのパイプにこだわりを見せる。そのため首相犯罪に検察が沈黙するのは、昔からなのだ。したがって攻め手は、国会で検察庁を追い込んだり、告発を連発して世論を喚起することが不可欠なのだ。
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菅氏は清和会の所属ではありませんが、清和会の安倍首相と長い間、共にしているので、このことを熟知していたとみられます。
河井氏を法務大臣にしたことで、クーデターが半分成功したかにみえた菅氏ですが、この企みを察知したのが、安倍首相側近の警察官僚で安保局長の北村滋氏と、経産省出身の内閣補佐官の今村尚哉氏だということです。河井氏と菅原氏の不正選挙問題を暴露し、大臣二人の首をはねることで安倍氏側は反撃に転じます。
さらに、二人の大臣のスキャンダルは、首相の桜問題から国民の目を背けさせることにも一役買うことになります。
これにより、安倍首相は、法務大臣を側近の森雅子氏に挿げ替えることに成功し、菅氏と二階氏の野望を、食い止めたかに見えます。さらに安倍首相は、カジノ利権に食らいつく菅氏と二階氏の外堀を埋めるために、IRを巡る汚職事件の捜査を検察に指示し、新たな反撃に出ます。
菅氏については、自分のホームグラウンドである神奈川県から小泉進次郎氏と河野太郎氏を入閣させています。さらに、横浜へのカジノの誘致にも、菅氏の政治力が影響しているとみられます。
安倍氏側は、菅氏の野望を見過ごすことができなかったのかもしれません。
その後、検察は、IRを巡る収賄容疑で秋元司議員を逮捕しています。何をやっても逮捕されることのない安倍自民党議員の中で、秋元氏だけが、なぜ逮捕されたのか、とても不思議でなりませんでしたが、狙いは菅氏と二階氏への反撃とみれば大いにうなずけます。執念深く幼児性を兼ね備えた安倍首相が、いかにもやりそうなことです。
このところ存在感のない検察も、小物議員を捕まえてお茶を濁すことで、やってる感を出そうとしたのかもしれません。
これで終わりかと思われましたが、菅氏と二階氏の反撃は、さらに続きます。
安倍首相がとことん入れ込んだとされる河井案里氏への、1億5000万円投入の金権選挙を暴露させます。
案里氏への異常な肩入れは、いろいろな説があるようです。
宏池会と清和会の抗争というよりは、安倍批判をしていた溝手顕正氏への怨念なのか? あるいは岸田派(宏池会)の最高顧問である溝手顕正氏を落選させることで、岸田氏の総裁候補脱落を企てたのか?
それとも・・・・、面白い話があるようです。
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参院選の候補に1億5000万円投入したということに、自民党関係者であれば、誰もが驚くすごい大金である。過去に前例はない。何のために?下衆の勘繰りだと、それは「もう高市も稲田も過去の女性。これからは案里ということさ」というのだが、真相は不明だ。
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本当のところは、どうなのか分かりませんが、この問題にも、安倍首相の異常なサイコパス気質が見え隠れします。
菅氏サイドの安倍攻撃は、さらに続きます。第二のジャパンライフの発覚と、そこにトラブルメーカーの昭恵夫人が絡んでいるという疑惑です。菅氏には、伊藤詩織さん事件をつぶした、警察庁のナンバーツーで「菅の懐刀」といわれている中村格氏がついています。中村氏は、菅氏を通じて安倍家の内情にも明るいといいますから、さらなる暴露合戦は続きそうです。
それにしても、当ブログが指摘してきた三権癒着のシステムを地で行くようなことが、官邸内での醜い権力争いから見て取れるということは、政策を蔑ろにして自己の利権と権力の維持・拡大に奔走するだけの、いかにレベルの低い政権であるかということを思い知らされます。
官邸のトップとナンバーツーの暴露合戦は、安倍政権の終焉を待ち望んでいる人たちにとっては願ってもないことで、自滅の時期を早めてくれることになるかもしれません。

政権の走狗としての司法が、不都合な人物を排除するための事件のでっち上げや、握り潰し、論理的根拠に乏しい不毛な行政裁判によって政権維持のための売国政策の実現に貢献する一方で、警察は、監視カメラや盗聴、ネット監視を駆使した情報収集で国民を監視し、国民の自由な言論、行動、思想を抑えつけるということが現実のものとなりつつあります。さらには、政敵の弱みを握り、歯向かう者を排除することにも力を発揮しそうだというのが、まとめでした。
中村氏の警察庁次長就任は 秘密警察が暗躍する「安倍帝国」のはじまり?!
「警察国家」のようなことが、すでに起こっているという趣旨でしたが、このようなことが、国民に向けての対策や、特定の政治家に対する圧力として作用するのではなく、官邸内での権力争いにも威力を発揮している様子が、下記の記事からうかがえます。
官邸内の暗闘<本澤二郎の「日本の風景」(3577)
このところ、安倍政権内でのスキャンダルが次々と明るみになっていますが、その原因は、官邸のナンバーワンとナンバーツーの死闘、つまり安倍首相と菅官房長官のスキャンダル暴露合戦によるものだというのですから、思わず納得してしまいます。
検察や警察といった国家権力と、政権との癒着を再確認するような内容です。
『安倍「桜」事件で死に体に追い込まれた晋三をこれ幸いとばかり、人事で主導権を確保した菅ー二階組のクーデターと分析すると、実に分かりやすい。』ということのようです。
つまり、「安倍 vs 菅、二階」という構図を頭の片隅に入れて経緯をたどってみます。
「桜」事件でよろめいてしまった首相の様子に、連携する二階氏と菅氏が「もう安倍はいいだろう」とクーデター計画を始動させたことから、合戦は始まったようです。
「幹事長を交代させたい」という安倍首相に対して、菅氏は体を張って阻止し、菅氏は二階氏を留任させることに成功させると、今度は二階派兼菅派の河井克行氏と菅原一秀氏の二人を法務大臣と経産大臣に押し込むことにも成功しています。
菅氏が、法務大臣を自分の派閥から出すことにこだわった背景には、菅氏による検事総長人事が核心にあったといわれています。
予備知識として、次のことを知っていると理解が深まります。
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清和会には、天下人は検事総長を握れ、という内々の伏線・約束事が存在する。それは清和会創設者の福田赳夫が、戦後の汚職事件に絡んで逮捕されたという苦い経験からきている。
政局のカギを握る検事総長というのも、清和会独特の思想である。検察官僚も心得たもので、検事総長を狙うものは、まずは官邸とのパイプにこだわりを見せる。そのため首相犯罪に検察が沈黙するのは、昔からなのだ。したがって攻め手は、国会で検察庁を追い込んだり、告発を連発して世論を喚起することが不可欠なのだ。
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菅氏は清和会の所属ではありませんが、清和会の安倍首相と長い間、共にしているので、このことを熟知していたとみられます。
河井氏を法務大臣にしたことで、クーデターが半分成功したかにみえた菅氏ですが、この企みを察知したのが、安倍首相側近の警察官僚で安保局長の北村滋氏と、経産省出身の内閣補佐官の今村尚哉氏だということです。河井氏と菅原氏の不正選挙問題を暴露し、大臣二人の首をはねることで安倍氏側は反撃に転じます。
さらに、二人の大臣のスキャンダルは、首相の桜問題から国民の目を背けさせることにも一役買うことになります。
これにより、安倍首相は、法務大臣を側近の森雅子氏に挿げ替えることに成功し、菅氏と二階氏の野望を、食い止めたかに見えます。さらに安倍首相は、カジノ利権に食らいつく菅氏と二階氏の外堀を埋めるために、IRを巡る汚職事件の捜査を検察に指示し、新たな反撃に出ます。
菅氏については、自分のホームグラウンドである神奈川県から小泉進次郎氏と河野太郎氏を入閣させています。さらに、横浜へのカジノの誘致にも、菅氏の政治力が影響しているとみられます。
安倍氏側は、菅氏の野望を見過ごすことができなかったのかもしれません。
その後、検察は、IRを巡る収賄容疑で秋元司議員を逮捕しています。何をやっても逮捕されることのない安倍自民党議員の中で、秋元氏だけが、なぜ逮捕されたのか、とても不思議でなりませんでしたが、狙いは菅氏と二階氏への反撃とみれば大いにうなずけます。執念深く幼児性を兼ね備えた安倍首相が、いかにもやりそうなことです。
このところ存在感のない検察も、小物議員を捕まえてお茶を濁すことで、やってる感を出そうとしたのかもしれません。
これで終わりかと思われましたが、菅氏と二階氏の反撃は、さらに続きます。
安倍首相がとことん入れ込んだとされる河井案里氏への、1億5000万円投入の金権選挙を暴露させます。
案里氏への異常な肩入れは、いろいろな説があるようです。
宏池会と清和会の抗争というよりは、安倍批判をしていた溝手顕正氏への怨念なのか? あるいは岸田派(宏池会)の最高顧問である溝手顕正氏を落選させることで、岸田氏の総裁候補脱落を企てたのか?
それとも・・・・、面白い話があるようです。
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参院選の候補に1億5000万円投入したということに、自民党関係者であれば、誰もが驚くすごい大金である。過去に前例はない。何のために?下衆の勘繰りだと、それは「もう高市も稲田も過去の女性。これからは案里ということさ」というのだが、真相は不明だ。
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本当のところは、どうなのか分かりませんが、この問題にも、安倍首相の異常なサイコパス気質が見え隠れします。
菅氏サイドの安倍攻撃は、さらに続きます。第二のジャパンライフの発覚と、そこにトラブルメーカーの昭恵夫人が絡んでいるという疑惑です。菅氏には、伊藤詩織さん事件をつぶした、警察庁のナンバーツーで「菅の懐刀」といわれている中村格氏がついています。中村氏は、菅氏を通じて安倍家の内情にも明るいといいますから、さらなる暴露合戦は続きそうです。
それにしても、当ブログが指摘してきた三権癒着のシステムを地で行くようなことが、官邸内での醜い権力争いから見て取れるということは、政策を蔑ろにして自己の利権と権力の維持・拡大に奔走するだけの、いかにレベルの低い政権であるかということを思い知らされます。
官邸のトップとナンバーツーの暴露合戦は、安倍政権の終焉を待ち望んでいる人たちにとっては願ってもないことで、自滅の時期を早めてくれることになるかもしれません。


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