一昔前とは違う 変質した自民党に気がつかなければ
さらに、選挙期間中にタイミングを合わせたかのように飛び込んできたハンセン病家族訴訟の控訴を断念するというニュース。控訴期間が14日間と規定されているので、判決の期日を参院選に合わせたと考えれば、司法と行政は持ちつ持たれつの関係にあることが理解できます。
批判されるべきは公正な公権力を行使しない検察・警察 政府
日本の検察・司法がいつから正常な機能を失ったのか。その原点ともいえるものが、60年以上前の日米地位協定に基づく密約にあります。宗主国アメリカに忖度し、対象者によって、起訴、不起訴を恣意的に使い分ける検察の習性は、その時代から、脈々と受け継がれています。
その後、砂川判決、ロッキード事件と、日本の司法は、常にアメリカの意向の下に、行政権力と司法権力が一緒になって民主主義を歪めてきました。
米軍駐留を認めた砂川判決。贈賄側には贈賄罪・偽証罪での刑事免責を保証しながら、被告の田中角栄氏には反対尋問の機会を与えなかった暗黒裁判、これらは明確な憲法違反です。
検察による恣意的な処分は 60年以上前の日米密約が原点
砂川判決を持ち出すことの愚かさ
田中角栄氏の「暗黒裁判」
検察・司法が政府に対して、まったく手足がも足も出せないことに加え、権力者による憲法違反が平然とまかり通ってきた日本は、民主国家・法治国家とは言い難い状況にあります。
その背後には、必ずアメリカの存在があります。
それでも小泉政権が発足する前までは多くの自民党議員が面従腹背で、どうにか主権国家としての形を保ってきたように思いますが、小泉政権では、竹中平蔵氏が先導する新自由主義のあおりで郵政民営化、規制緩和などの売国法制が次々と成立し、アメリカ従属が顕著になりました。さらに、第二次安倍政権では、国益を無視した、より一層の隷米政策に加え、日本会議というカルトまがいの勢力に完全に乗っ取られてしまっています。
それに至るプロセスを、菅野完氏は次のように分析しています。
「小泉内閣で幹事長に大抜擢された安倍氏は、そのわずか2年の総理総裁になります。十分な権力基盤を構築しないまま総理総裁まで上り詰めた安倍氏は、権力基盤が脆弱で、日本会議やその関連の組織が周りに群がり、影響力を行使しやすかったのではないか。」
それに加え、本来、持ち合わせておくべき基本的知識に乏しく、自分で考え判断するということができなかったのではないかと思います。
また、菅野完氏は「日本会議の研究」の中で、日本会議について次のように記述しています。
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日本会議事務方が行っているのは、「国歌斉唱」と「リベラル揶揄」という極めて幼稚な糾合点を軸に「なんとなく保守っぽい」有象無象の各種教団・各種団体を取りまとめ、「数」として顕在化させ、その「数」を見事にコントロールする管理能力を誇示し、政治に対する圧力に変えていく作業なのだ。
個々の構成員は高齢でそのくせ考えが幼稚でかつ多種多様かもしれぬが、これを束ねる事務方は、極めて優秀だ。この事務方の優秀さが、自民党の背中を押し改憲の道へ突き進ませているのものの正体なのだろう。(P132)
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改憲と時代錯誤の政治に奔走する安倍政権の淵源
このような勢力が、選挙の時に大きな力を発揮し、腐敗政治を終わらせ、真の独立国家となり、真っ当な民主国家・法治国家を望む人たちの脅威になることは確かです。
半年ほど前、高齢のお稽古ごとの先生が、自らが自民党員だということで安倍首相の写真が貼られたバッチのようなものを誇らし気に見せてくれました。私だったら処分して塩を撒きたい、そんな気分になります。
昔の自民党とは違い、今の安倍自民党が完全に変質していることに、いまだに気がついていいない高齢者は、案外多いのかもしれません。真面目に新聞やテレビから情報を得ている人ほどマスコミに洗脳され、ネットに溢れている真実の情報から遠ざかっているように思います。
日頃、ネットを自在に扱っていても、政治に無関心な若者や中高年の人も同じように相当数いるはずです。
今こそ覚醒して政治を変えていかなければ、将来に禍根を残すことになります。


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