「現代の徴用工」 ~外国人労働者による廃炉作業~
昨年12月、外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案が、ほとんど白紙状態で、十分な議論もされないまま、与党の強行採決で成立したことは、記憶に新しいはずです。
細かいことは後から決めればよいといういい加減なもので、中身が空っぽのままの法案を、なぜ、急いで成立させる必要があったのでしょうか。
働くことを目的とした在留資格は、これまで研究者など高度な専門的人材に限られていましたが、それを、“単純労働”にまで広げようというのが改正の趣旨です。
人材派遣会社にとっては、実に有利な法案に思えます。
そこで頭をよぎるのが、これまで様々な売国政策を推進してきた、人材派遣会社 パソナ会長である竹中平蔵氏です。
国家戦略特区諮問会議で中心的な役割をつとめる竹中氏は、特区で外国人が家事代行サービスに従事できるよう提案、実現させています。パソナは、フィリピンの同業大手と提携し、2016年初旬から、フィリピン人スタッフによるハウスキーピングサービスを始めています。また、2016年11月、国家戦略特区の外国人受け入れ分野に「介護」を加えることにも成功しています。その後、飲食店や宿泊業などのサービス業も追加しています。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw4354132?page=2
ある時は経済学者、また、ある時は経済財政諮問会議や産業競争力会議のメンバーとそて、それぞれの顔を使い分けながら、「利益相反」「我田引水」との批判をものともせずに、上手く立ち振る舞ってきたのが竹中平蔵氏です。
出入国管理法改正も、竹中平蔵氏の入れ知恵かと思っていたところ、それ以上に重大で悪質な問題が背景にあったようです。
東京電力は、今月18日、今月から始まった新たな在留資格「特定技能」の外国人労働者を、福島第1原子力発電所(福島県)での廃炉作業などで受け入れる方針を明らかにしました。
東京五輪関連の需要増などもあって建築作業員の人手不足が深刻で、作業員の確保が難しくなっているというのは表向きの理由のようですが、廃炉作業特有の事情こそが本来の目的であると考えられます。
福島第一原発では1日におよそ4000人が働いていますが、被曝線量が一定量になると働けなくなってしまうため、常に新しい人員が必要になってきます。法令では5年で100ミリシーベルトかつ年間で50ミリシーベルトまでと定められており、基準値を超えて被曝すると働けなくなります。
特定技能は、深刻な人手不足に対応するために一定の専門性や技能を持ち即戦力となる外国人を受け入れる制度と、もっともらしい理由を謳って、「特定技能1号」と、熟練技能が求められる「特定技能2号」に分けていますが、これこそが廃炉作業にはうってつけの制度設計なのではないではないかと考えられます。
当面は、「1号」の外国人を建設や農業など14業種を対象に受け入れるということですが、特定技能2号を取得しなかったり、取得できなかったりした場合は、5年で帰国することになるということです。
「5年で100ミリシーベルト」と「特定技能1号は5年で帰国」、この「5年」が妙にリンクしていると思いませんか?
廃炉作業は、当然ながら危険と隣り合わせです。日本人が従事する場合でも様々な問題がある廃炉作業に、外国人を従事させるのは、より多くの問題があります。
さらに、廃炉作業には違反がつきものです。
福島労働局の監督指導の結果によると、監督を実施した290社のうち、53.1%で違反があったといいます。内訳は、被ばく線量測定結果の確認・記録を怠ったなど安全衛生関係が65件、割増賃金の支払いなど労働条件関係が250件だったということです。
外国人人材を受け入れた場合、帰国後の健康管理は、どうするのでしょうか。仮に、帰国後に健康被害が出た場合、日本政府は責任を取るつもりなのでしょうか。
これまでの安倍政権の無責任体質からしても、結局のところ、被曝線量の上限まで働かせて、5年で帰国させ、そのあとは放置するということになるのではないでしょうか。まさに「使い捨て」にされることが予想されます。
福島第一原発廃炉作業に「特定技能」外国人投入を決めた東電は言語道断。日本社会で責任を持って収束させよ
廃炉作業後の所在が不明となる人材ほど日本政府から重宝がられるのは、外国人に限らず、日本人でも同様です。
なぜならば、その後の健康管理をしなくて済むからです。
日本国内で「使い捨て」にできる人材といえば、定住先をもたないヤクザや前科者ではないでしょうか。
廃炉作業では、そういう人たちが多く働いているというのは、これまでも言われてきたことですが、暴力団への締め付けが厳しくなるなか、行き場を失った彼らが行き着くところが、廃炉や除染の現場だということが、下記のサイトに詳しく記されています。
原発廃炉の作業員になった「ヤメ暴」――行き場のない人間が辿り着いた場所
廃炉や除染の現場は常に人手不足で、作業員募集の流れは、次のような構図になっています。
「東電(周辺地域の除染作業では環境省や自治体)→元請け会社(メーカー、ゼネコン)→1次下請け→2次下請け→3次下請け……」
元請けのメーカーやゼネコンは暴力団の徹底排除を謳っていますが、下位の下請け会社の中には暴力団の企業舎弟も紛れ込んでいるのが実態だということです。
更に、これだけ下請けを何度も経由すれば、責任の所在も曖昧になります。政府や東京電力にとっては都合がいいのです。
「特定技能」の外国人労働者の話に戻りますが、「現代の徴用工」ともいえる、外国人労働者による廃炉作業については、またもや国際社会から非難を浴びることになりそうです。


細かいことは後から決めればよいといういい加減なもので、中身が空っぽのままの法案を、なぜ、急いで成立させる必要があったのでしょうか。
働くことを目的とした在留資格は、これまで研究者など高度な専門的人材に限られていましたが、それを、“単純労働”にまで広げようというのが改正の趣旨です。
人材派遣会社にとっては、実に有利な法案に思えます。
そこで頭をよぎるのが、これまで様々な売国政策を推進してきた、人材派遣会社 パソナ会長である竹中平蔵氏です。
国家戦略特区諮問会議で中心的な役割をつとめる竹中氏は、特区で外国人が家事代行サービスに従事できるよう提案、実現させています。パソナは、フィリピンの同業大手と提携し、2016年初旬から、フィリピン人スタッフによるハウスキーピングサービスを始めています。また、2016年11月、国家戦略特区の外国人受け入れ分野に「介護」を加えることにも成功しています。その後、飲食店や宿泊業などのサービス業も追加しています。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw4354132?page=2
ある時は経済学者、また、ある時は経済財政諮問会議や産業競争力会議のメンバーとそて、それぞれの顔を使い分けながら、「利益相反」「我田引水」との批判をものともせずに、上手く立ち振る舞ってきたのが竹中平蔵氏です。
出入国管理法改正も、竹中平蔵氏の入れ知恵かと思っていたところ、それ以上に重大で悪質な問題が背景にあったようです。
東京電力は、今月18日、今月から始まった新たな在留資格「特定技能」の外国人労働者を、福島第1原子力発電所(福島県)での廃炉作業などで受け入れる方針を明らかにしました。
東京五輪関連の需要増などもあって建築作業員の人手不足が深刻で、作業員の確保が難しくなっているというのは表向きの理由のようですが、廃炉作業特有の事情こそが本来の目的であると考えられます。
福島第一原発では1日におよそ4000人が働いていますが、被曝線量が一定量になると働けなくなってしまうため、常に新しい人員が必要になってきます。法令では5年で100ミリシーベルトかつ年間で50ミリシーベルトまでと定められており、基準値を超えて被曝すると働けなくなります。
特定技能は、深刻な人手不足に対応するために一定の専門性や技能を持ち即戦力となる外国人を受け入れる制度と、もっともらしい理由を謳って、「特定技能1号」と、熟練技能が求められる「特定技能2号」に分けていますが、これこそが廃炉作業にはうってつけの制度設計なのではないではないかと考えられます。
当面は、「1号」の外国人を建設や農業など14業種を対象に受け入れるということですが、特定技能2号を取得しなかったり、取得できなかったりした場合は、5年で帰国することになるということです。
「5年で100ミリシーベルト」と「特定技能1号は5年で帰国」、この「5年」が妙にリンクしていると思いませんか?
廃炉作業は、当然ながら危険と隣り合わせです。日本人が従事する場合でも様々な問題がある廃炉作業に、外国人を従事させるのは、より多くの問題があります。
さらに、廃炉作業には違反がつきものです。
福島労働局の監督指導の結果によると、監督を実施した290社のうち、53.1%で違反があったといいます。内訳は、被ばく線量測定結果の確認・記録を怠ったなど安全衛生関係が65件、割増賃金の支払いなど労働条件関係が250件だったということです。
外国人人材を受け入れた場合、帰国後の健康管理は、どうするのでしょうか。仮に、帰国後に健康被害が出た場合、日本政府は責任を取るつもりなのでしょうか。
これまでの安倍政権の無責任体質からしても、結局のところ、被曝線量の上限まで働かせて、5年で帰国させ、そのあとは放置するということになるのではないでしょうか。まさに「使い捨て」にされることが予想されます。
福島第一原発廃炉作業に「特定技能」外国人投入を決めた東電は言語道断。日本社会で責任を持って収束させよ
廃炉作業後の所在が不明となる人材ほど日本政府から重宝がられるのは、外国人に限らず、日本人でも同様です。
なぜならば、その後の健康管理をしなくて済むからです。
日本国内で「使い捨て」にできる人材といえば、定住先をもたないヤクザや前科者ではないでしょうか。
廃炉作業では、そういう人たちが多く働いているというのは、これまでも言われてきたことですが、暴力団への締め付けが厳しくなるなか、行き場を失った彼らが行き着くところが、廃炉や除染の現場だということが、下記のサイトに詳しく記されています。
原発廃炉の作業員になった「ヤメ暴」――行き場のない人間が辿り着いた場所
廃炉や除染の現場は常に人手不足で、作業員募集の流れは、次のような構図になっています。
「東電(周辺地域の除染作業では環境省や自治体)→元請け会社(メーカー、ゼネコン)→1次下請け→2次下請け→3次下請け……」
元請けのメーカーやゼネコンは暴力団の徹底排除を謳っていますが、下位の下請け会社の中には暴力団の企業舎弟も紛れ込んでいるのが実態だということです。
更に、これだけ下請けを何度も経由すれば、責任の所在も曖昧になります。政府や東京電力にとっては都合がいいのです。
「特定技能」の外国人労働者の話に戻りますが、「現代の徴用工」ともいえる、外国人労働者による廃炉作業については、またもや国際社会から非難を浴びることになりそうです。


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