最高裁判所は 本当に裁判資料を読んでいるの? ~裁判の不思議~
最高裁は、法律審であるから、憲法違反や判例違反など、それなりの理由がなければ、上告を認めないことはわかりますが、現在、私の刑事告訴を受けて検察庁が取り調べていることからも、最高裁も、二審判決にはかなりの違法性があることを認識できたはずであるのに、なぜ上告不受理になり、その判決が確定してしまったのかということです。
その理由として、次の3つのケースが考えられと思います。
ひとつ目は、
かなり飛躍した考えかもしれませんが、私が上告受理申立理由書で判決理由の矛盾を突くなど、かなり批判的に書いたものだから、もしかしたら、そのような部分を削除したりとか加工して最高裁に送られたのではないかという疑い。
ふたつ目は、
最高裁が、裁判資料をよく読んでいないために、書かれている内容が伝わらなかったということ。
三つ目は、
最高裁が、裁判資料を見て二審判決の違法性に気がついていながら、最高裁もまた行政に有利な偏った判断をしてしまい、上告不受理で処理してしまった可能性。
私は、刑事告訴をするにあたり、その前に正確な事実関係を把握しておく必要があると思い、上記の一つ目の疑いを調べるため、今年1月初め、最高裁から戻った裁判資料を確認しに、福島地裁いわき支部に行ってまいりました。
もちろんですが、裁判資料の改ざんとか、そういうことは全くありませんでした。
資料を調べていくうちに、高裁が、国側に和解を打診するアンケートを送っていたことなど、私の全く知らない資料の存在を知り、ちょっと驚きましたが・・・・・
ところが、それよりもっと驚いたことは、私が提出した上告受理申立理由書が、提出したときの状態のまま、つまり、用紙をほとんどめくった様子がないままファイルに綴じられていたことでした。
たとえば、届いたばかりの誰も読んでいない新聞などは、紙が平坦で細かい起伏などもなくピーンとしていて、重ねた時に空気が入り込む余地もないくらい密着していますが、一度でも読んだものは、紙に細かい起伏ができてがさ張り、すぐにわかりますよね。
地裁や高裁宛に提出した控訴理由書などには、紙の状態から、確かに書面が読まれたという痕跡が確認できましたが、最高裁宛に提出した書面からは、そのような痕跡が全くといってよいほど感じられませんでした。
最高裁に提出する書面は、相手方(被上告人)が一人でも同じものを8通提出しなければならないので、その中の誰も読んでいないものがファイルされている可能性もありますが・・・・・
もうちょっと客観的な観点から考察しますと、
最高裁に上告されてくる民事事件は年間約三千件、刑事事件は約二千件、前年から繰り越される事件も民事刑事合わせて約二千件、これらを15人の判事と三十数人の調査官の補佐で処理するらしいのです(読売新聞社会部著 『ドキュメント裁判官』参照)。
最高裁の裁判官だからといって“スーパーマン”ぶりを発揮できるとは、到底、考えられません。
常識的に考えれば、これだけの件数の資料を、この人数で精査すること自体、物理的に不可能に近いと思いますが・・・・・
裁判を受ける側としては、最後の望みをかけて最高裁に臨んでいるわけですから、納得のできるシステムに改善していただきたいと思っています。
ということで、ふたつ目の可能性が極めて大きいとは思いますが、これと相反する上記の三つ目の可能性も捨て切れません。
といいますのも、「二審判決には、私の主張と違うことが書かれているので絶対に訂正していただきたい。」と最高裁に抗議の電話をした際のことですが、こちらは事件番号を言っただけで詳しい内容を話したわけではないのに、向こうが「そのことについては、・・・・です。」といった具合で、数多くある事件の中、なぜ知っているのかなという疑問を持ちました。
このような抗議はよくあるケースで、対応に慣れているということも考えられますが・・・・・

読みたくても(精査たくても)物理的に不可能だと思います。
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