衆議院議員選挙の前に 是非 読んでおきたい本
なぜ、この3人なのかというデコボコなメンバーなのですが、中身は、毒舌政治鼎談といったところです。
まともな本にこんなこと書いていいのというような週刊誌ネタにも近い話題もあちこちに見受けられ、とにかく面白いのですが、自民党改憲案の本質的な問題をしっかりと突いています。
お堅い本はどうも苦手という方も、面白く、そして楽しく、憲法について学ぶことができます。末尾には、日本国憲法と自民党憲法改正草案 の対照表が掲載されていますので、条文の内容を忘れても、すぐに確認することができます。
帯には、「自民党支持者の必読書!?」と書かれています。
ただ何となく自民党を支持しているという人は、衆議院議員選挙の前にこの本を読んで、安倍政権の正体を知っていただきたいと思います。
その帯にはこんなことが書かれています。

この改憲の中身って・・・・
家庭をもたない人は みんなマイノリティになっちゃう。(ピーコ)
自民党がやりたい放題のことを書いている。
ギャングの掟みたいな話。(佐高信)
平和憲法に関する知識が足りない人たちが作ったアホみたいな改憲案。(谷口真由美)
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自民党の憲法草案は、とにかく突っ込みどころ満載なのですが、特に留意しておきたいを点を、いくつか拾ってみました。
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自民党草案では、天皇は元首であるのに、「天皇はこの憲法に定める告示に定める行為を行い、国政に関する機能を有しない」と書いてあり、元首でありながら政治的なことは何もさせない。
さらに、「天皇の国事に関する全ての行為には、内閣の進言を必要とし、内閣がその責任を負う」と書かれてあり、内閣が天皇に「これやってくれ」ということになる。
現政権は、愛国心を高めるための道具として皇室を利用しようとしている。

自民党改憲草案で、もっとも問題とされているのが緊急事態条項だ。
緊急事態の宣言は、事前または事後に国会の承認を得て、閣議にかけて発せられることになっているが、与党なら国家の承認は容易にとれる。
100日を超えるごとに国会の承認を得なければならないことになっているが、99条4項に「その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとする」と書かれており、この間、ずっと国会議員を続けられ、任期の定めが事実上なくなる。
つまり、政権は、「戦争ごっこ」「軍人ごっこ」「震災の復興の道半ば」とか理由をつけて、ずっと緊急事態に置きたい。
この緊急事態条項と安保と秘密保護法がセットになった時には独裁者のできあがり。

日本国憲法では、99条に「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と、つまり、権力者を縛るために憲法があり、これが立憲主義である。
ところが、自民党改憲草案は102条で、「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」と書かれており、国民が守らなければならないことになっている。
そもそも、憲法は国家権力から国民を守るためのものだから、櫻井よし子センセイをはじめとする、今の憲法を変えたがっている連中は、そういう憲法の「いろは」の「い」も知らない。
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先日、「Showbin の日刊 写楽」さんのブログで知ったのですが、ジョージ・オーウェルの「1984年」という本があります。
この中では、「ビッグ・ブラザー」率いる党が支配する全体主義的近未来が描かれています。
歴史は改竄され、政府に都合の悪い事実は消され、国民には嘘の情報が伝えられる。体制を維持するために無意味は戦争は繰り返され、反政府的な発言をし難くさせるために言語は単純化される。人々の言動は「テレスクリーン」であらゆるところで監視され、思考までもが完全な屈従を強いられます。
森友・加計問題では政府に都合が悪い書類は廃棄され、政府に不都合な人物は尾行してまで弱みをつかもうとしていたことは、周知の事実です。
北朝鮮によるミサイル発射では、政府の過剰な反応で、無駄に国民の不安や敵対心を煽り、「戦争ごっこ」さながらです。
第二次安倍政権になってから、既に半分そのような状況になりつつありますが、さらに進んで、自民党が目指す憲法が制定されたあかつきには、完全に「1984年」のような世の中が待ち受けているかもしれません。
来月、衆議院議員選挙が行われることになりましたが、後悔しないためにも、現自民党の正体をしっかりと把握したうえで、賢明な投票をされることを願っています。



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