政治を歪めている元凶は 検察と裁判所にあり
それにしても、今頃、謙虚なふりをしたところで遅過ぎます。すでに森友学園問題、加計学園問題の真相はほぼ明らかになっており、今さら、どんな言い訳をしようが、国民の認識を変えることはできません。首相自身がまったく空気が読めいてないのではないかと思わざるを得ません。
しかも、記者たちの質問も、予定されていたのか、国会のような厳しい質問はほとんどなく、当たり障りのな質問ばかり。質問に対するの返答も原稿を読んでいるわけですから、予め設定されていたのではないかという不自然さを感じました。
さらに、その直後の7時のNHKニュースでは、記者会見に対する一連の報道中に、突然、森友学園に対する大阪地検特捜部の強制捜査のニュース速報のテロップが流れ、安倍首相の記者会見に対する記者の解説や野党・識者のコメントが入ることなく強制捜査の報道に移ります。時間といい、タイミングといい、意図的に仕組まれていた感じさえします。
加計学園問題は、客観的証拠や証言からも、安倍首相が職権を乱用してお友達へ利益供与ということが、ほぼ疑いない事実であるにもかかわらず、この会見でも、岩盤規制改革で獣医学部新設を進めていくということを述べています。
自らの国会答弁での反省を口にするも、これといった具体的な対策を示すことはなく、結局のところ、腹心の友への忖度で、加計学園の獣医学部新設についての国民の理解を求めるための会見だったのではないかと思えてきます。
安倍首相としては、会見を開いたことで、やるべきことはやったと思ったかもしれませんが、その晩に放送されたNHK『クローズアップ現代+』では、独占入手した文科省作成の“新たな内部文書”が公開されます。その内容は、萩生田光一官房副長官が文科省に対し、はっきりと「総理案件」であることを伝えている衝撃的なものでした。
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http://lite-ra.com/2017/06/post-3259.html より
先週、「安倍首相の側近中の側近」である萩生田官房副長官が、「広域的に」「限る」という事実上の「京都産業大学外し」を指示していたことが発覚したが、今回、NHKがスクープしたのは、その指示の1週間前ほどにあたる2016年10月21日、萩生田官房副長官が文科省の専門教育課長である浅野敦行氏に対して語った言葉を記録した「10/21萩生田副長官ご発言概要」という文書だ。
そこには、まさに「決定的」な文言が並んでいる。
「和泉補佐官からは、農水省は了解しているのに、文科省だけが怖じ気づいている、何が問題なのか整理してよく話を聞いてほしい、と言われた。官邸は絶対やると言っている」
「総理は「平成30年4月開学」とおしりを切っていた。工期は24ヶ月でやる。今年11月には方針を決めたいとのことだった」
「何が問題なのか、書き出して欲しい。その上で、渡邉加計学園事務局長を浅野課長のところにいかせる」
「農水省が獣医師会押さえないとね」
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この文書から、安倍首相自ら開学時期を設定しており、さらには、獣医学部新設は「岩盤規制改革」などではなく「加計学園のための規制緩和」だったということが認識できますが、これとそっくりそのまま重なるのが、開示資料から明らかになった、「最速でH30・4開学(予定)」と記載した今治市が作成したスケジュール表です。2018年(平成30)年度開学の方針は、特区を担当する内閣府が約7カ月後の昨年11月のパブリックコメント(意見公募)の実施で初めて公表したということですが、今治市と内閣府は15年4月以降、頻繁に協議していたことが判明しており、加計ありきで進められていることが、こちらからも裏づけられます。
一昨日の記者会見で安倍首相は、規制改革は歪んだ行政を正すものだとか偉そうなことを言っていましたが、「嘘つきはドロボーのはじまり」、権力をもった悪党一味が自ら真実を明らかにすることなど、期待する方が間違っています。
検察の捜査に期待するしかありませんが、三権癒着構造の日本ではこちらも期待するだけ無駄でしょう。
数十億円もの莫大な資産が首相のお友達に不当に供与された加計学園問題は、検察や裁判所の正体を知ってもらうには格好の材料となることは請け合いです。
国策で政府と一体となって、ある時は事件をでっち上げ、またある時は事件を握り潰してきた検察は独立した強い権限など、ないに等しい機関なのです。検察権力の弱体化が、巨悪をはびこらせているといえます。
検察や司法がまともに機能していないことが、政治を歪めている元凶でもあるのです。


萩生田氏:首相と加計氏との関係は 4年前の3ショット より



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