「希望の裁判所」レビューが素晴らしい!!
「希望の裁判所」、“よくもまあ、しゃあしゃあとこんなタイトルをつけたものだ!!!”と思った次の瞬間、思わず吹き出しそうになりました。
“これは、明らかに瀬木比呂志氏の「絶望の裁判所」に対抗するためにつけたタイトルではないか?!”“こんなタイトルの本を書くのは、きっと最高裁の回し者に違いない!”と思ったら、やはり「日本裁判官ネットワーク(編集)」になっています。
値段は2700円と少々高額です。409ページもあるので妥当なのかとも思いますが、今現在、レビューを書いているのはひとりだけ、しかも★ひとつです。
まずはレビューを読んでみました。
https://www.amazon.co.jp/review/R3NXMQYS6PQKQ6/ref=cm_cr_dp_title?ie=UTF8&ASIN=4904497295&channel=detail-glance&nodeID=465392&store=books
レビューの冒頭です。
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日本裁判官ネットワークとは、極めて薄まっているものの、青法協-裁判官懇話会の流れを一部受け継いだ裁判官・元裁判官の団体である、と言ってよいだろう。一般的な左-右の構図で言えば、いちおうは「左」に位置することになる。
そのような団体が「希望の裁判所」と題する書籍を出版したのだから、現状の裁判所を希望の裁判所に改革していくべきだという方向性の議論をしているのだろう、と思うと完全な期待外れである。複数の執筆者からなる文章の集まりで、微妙に異なる論調の執筆者もいるものの、大勢としては、現在の裁判所が希望に満ち溢れており、今の司法改革路線を推し進めていけばよい、という司法改革・裁判所に対する礼賛の書籍なのである。
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これに続き、内容を具体的に説明されています。
瀬木比呂氏の「絶望の裁判所」と対比させている部分もあり、そのことからも、この本の位置づけが理解できます。
さらに、笑っちゃうのが後半の次のくだりです。
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断っておくと、この書籍の執筆者たちに悪意はないだろうし、主観的には利権でものを論じているわけでもないだろう。この執筆者たちは、おそらく、本気で、左翼的またはリベラルな価値を信じ、それが司法改革で実現しつつあると信じたいのである。とくに、すでに高齢となった者たちは、そうした未来を信じている方が、これまでの自己の人生に意味があったと思えるであろうから。そして、そう信じようとするあまりに、現実に目が向かなくなっているのが、致命的な欠陥である。
こうした筆者らの理念倒れぶりは随所に現れているのだが、井垣敏生の次のくだりは、ユーモラスですらあった(165-166頁)。「各種の調査では、国民は未だに知り合いの弁護士はいないし、弁護士事務所は敷居は高いし、裁判などになると時間とお金が大変だし、ついでにいえば正しい結論がだされて、正しい権利が確保されているのかについても、大きな懸念が示されているのが現状です。」
おなじみの弁護士を増やせという議論の当否は脇におくとして(また、「各種の調査」を一例も示していない点も措くとして)、裁判で「正しい結論がだされて、正しい権利が確保されているのか」というのは、どう考えても最も重要な問題であって、「ついで」の問題ではないはずであろう。いかに司法にアクセスしやすくなっても、その結果が悪ければなんの意味もない。逆に、正しい結論がだされて、正しい権利が確保されると信用できるのなら、時間やお金を費やしても裁判に踏み切ることは比較的容易であろう。
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裁判官たちは、司法の現状をまったく理解していないのか、あえてそうすることで、裁判という現実的には茶番の世界に身を置いてきた自分たちのこれまでの実績を正当化したかったのか、そこは判断しかねるところですが、本末転倒の視点から書かれていることだけは確かなようです。
たいへん素晴らしいレビューで、これを読んだだけで1冊読んだ気分になりました。
“この本に2700円も出費するなら、その分で何か美味しいものでも食べた方がずっとマシかな”というのが率直な感想です。
ところで、話は変わりますが、
千葉大医学部学生3人による集団強姦事件、最近、優秀な学生たちによるこの手の事件をよく耳にしますが、千葉大の事件で驚くのは、千葉県警が氏名などの容疑者に関する情報を一切公表していないことです。ネットでは、様々な情報が飛び交っていますが、どうやら、この中のひとりが曽祖父の最高裁判事からから5代続く法曹一家の息子だということです。
このことからも、この国の腐敗した権力の側面がうかがえます。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/195010
ネット上ではすでに容疑者が特定され、Facebookの顔写真も公開されているようですが、司法関係者・捜査関係者による事件の握り潰しは彼らの常套手段です。法の下の平等が貫徹されるよう監視の目を光らせるておく必要があります。
※ 本日、追加の逮捕者とともに実名が公表されました。
容疑者特定のネット記事、一般市民からの批判が捜査機関に圧力をかけたのでしょうか。そうせざる状況に追い込まれたというのが実情ではないでしょうか。



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