天皇陛下のお言葉と憲法軽視のNHK
日本人が戦争に巻き込まれる条件が整いつつある今だからこそ、今月8日の天皇陛下のビデオメッセージが心に響きます。
皆さんは、陛下のお言葉をどのように受け留められたでしょうか。
街ゆく人が立ち止まって陛下のお話を聞いている様子からも、「平成の玉音放送」などといわれているようですが、それほど陛下のお言葉は国民にとって重いものだということを改めて感じました。
その陛下のお言葉に関連して、ブロ友の方から、興味深い情報をいただきましたので紹介します。
2013年12月23日天皇陛下が傘寿を迎えられ、その「お言葉」がマスコミに配布され、同日一斉に報じられたそうなのですが、NHKだけが重要部分をカットして放送したというから、驚きます!!
その重要部分というのが、下記に示す、護憲と取れる部分です。朝日新聞や毎日新聞はこの部分をしっかりと掲載し、読売新聞はかなり端折って報道したということですが、NHKだけは、この部分の一切を削除していたそうです。
http://lite-ra.com/i/2014/01/post-69-entry.html
削除された天皇の「お言葉」の該当部分
「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」
公共放送であるNHKがこんなことをするのであれば、受信料不払いの正当な理由になりそうです。
これを踏まえて、今月8日の陛下のお言葉をふり返ってみたいを思います。
陛下のお言葉を拝聴し、退位のご意向を示されているということは十分理解できましたが、それ以外に重要なメッセージが込められているのではないかと気がついたのが、陛下のお言葉に対する安倍首相のコメントをテレビで見たときです。
非常に短いコメントであるにもかかわらず、相変わらず紙に書かれたことを読み上げただけで、その後、一礼することもなく、素っ気なく横を向いて立ち去ったのを見て、「なに、この態度(失礼じゃない)!!」って思ったのが正直な感想でしたが、ネットを見ると、やはり多くの人が同じように思っていたようです。
それで、陛下のお言葉のどこが、安倍首相には面白くなかったのか、安倍首相の態度から逆に辿ってみて気がつきました。
私個人の見解ですが、ポイントは2つあると思います。
ひとつは、天皇陛下が国民の安寧と幸せを強く望んでいらっしゃることはもちろんですが、ご自身が憲法を順守するという姿勢を示されることで、憲法違反を平気でする安倍政権との対比を際立たせ、政権に憲法順守を促すお考えがあったのではないかということです。
それと、お言葉の中で何度も強調されていたのが、「象徴としての天皇」ということです。
安倍首相を支えている閣僚たちの多くが日本会議のメンバーであることは当ブログの過去の記事でお伝えしていますが、彼らの目指すところは「明治憲法の復元」だそうです。明治憲法(大日本帝国憲法)では、天皇が元首であり、天皇主権が原則です。
これは、陛下のおっしゃる「象徴としての天皇」と相反するものです。
つまり、陛下は明治憲法の復元を望んでいらっしゃらないということになります。
一種独特の憲法観の「一群の人々」
そこが、安倍首相にとっては、もっとも面白くないところだったのではないでしょうか。
元首としての天皇、天皇主権を望んでいるとすれば、天皇を尊重するのが当然と考えられますが、安倍首相の態度からは、そのような様子がまったく感じられません。
安倍首相とその取り巻きたちは、天皇を利用して戦争をしたいだけの似非右翼としか思えません。



- 関連記事