裁判の不思議

ニッポンの裁判に共通する結論づけの手法

昨年2月、元裁判官の瀬木比呂志氏が「絶望の裁判所「を上梓され、当ブログでお伝えしてきた不正裁判の実態やまやかしの国家賠償制度が証明されたと、私は捉えています。
最高裁判所の中枢に在籍していた元裁判官によって、この国の裁判の実態が語られた意義は重大です。
そして、先月、その瀬木氏の第2弾となる「ニッポンの裁判」が出版されました。


「絶望の裁判所」が、主に、裁判所の組織や制度的な問題点について述べているとすれば、 今回の「ニッポンの裁判」は、個別の事件を例に、結論付けの手法について分析し、その問題点を指摘しているといえます。
また、当ブログが、主に私の国家賠償訴訟での証拠や事実を無視したデタラメな結論づけの手法を公開しているのに対し、「ニッポンの裁判」は、私の裁判で行われたようなことが他の裁判でも日常的に行われており、その普遍性を証言しているとも言えます。


裁判所の悪辣さを知り尽くしている私としては、前作に以上に歯に衣着せぬ瀬木氏の裁判批判が、実に小気味よく感じられました。もちろん、「日本は法治国家である」などと信じているような人にとっては、かなり衝撃的な内容であるには違いありませんが、不正裁判の実態を自身の裁判で思い知らされ、全国の被害者の方から不正裁判の実態を伺っている私にとっては、最高裁判所を頂点とするこの組織・この制度にして、この結論づけの手法は十分にあり得えると、予想通りの内容として受け留めています。

「ニッポンの裁判」の内容については共感する箇所がたくさんあり過ぎて、どれからお伝えしてよいやら、目移りしてしまいそうな衝動に駆られますが、今回は、私の裁判と共通する結論付けの手法についてお伝えします。

最高裁判決に特徴的な結論づけの手法で、「あざむきのレトリック・からくり」として「韜晦(とうかい)型(ごまかし型)」と「切り捨て御免型」の二つがあるというのです。
「韜晦型」は、脆弱かつ問題の大きい論理の欠陥をおおい隠すために、くだくだと細かいことを長ったらしく書いているタイプで、「切り捨て御免型」というのは、都合の悪いことには一切触れないか、あるいは、都合の悪い部分を省略するというのがこのタイプだということです。
「なるほど~!!」、私の判決、特に二審判決(大橋弘裁判長、鈴木桂子裁判官、岡田伸太裁判官)が、まさに、これらに該当します。


私の主張に含まれていた行政関与の部分を完全に削除して、それを判決理由として、結論付けている部分(刑事告訴の対象箇所)は、前者に該当します。
長ったらしく文章を書いたあげくに、「しかしながら、(個人的な問題であって、行政は関係ない)」というような結論づけの仕方をしているのですが、『しかしながら』と書かれているのだから、『しかしながら』の前には、当然、行政関与の記述があるかのように錯覚させられるのですが、実際にはまったく書かれていないのです。
サッと読み流したときには、『しかしながら』に惑わされて気がつきにくいのですが、精読してみると、『しかしながら』の前後がかみ合っておらず、論理性が欠落した表現になっているのです。
仙台高等裁判所の虚偽の文書作成の手口  ~その1~
仙台高等裁判所の虚偽の文書作成の手口 ~その2~


さらに私のケースとまったく同じと失笑してしまったのが、ロジック、レトリックのお粗末きわまりない例で、真実を述べたのでは説得力のある結論を導きだせないために、支離滅裂なレトリックを持ち出しているという例です。
「判例時報」からの引用で述べているこの部分、まさに私のケースと極めて類似しています。


 「控訴審判決では、契約者の問い合わせに個別に答えたり、説明を行うことは、年金共済規程違反になるといいつつ、原告は、年金財政等に疑問があればみずから問い合わせて確認することも容易にできたというが、それでは、原告は、一体どうすればよかったというのであろうか?」

どっちつかずの、意味不明な結論づけです。

私のケースでは、労基署への相談の際に、詳しい情報を伝えることを躊躇していた私から、会社名,部署、役職等、個人を特定できるほどの夫についての情報を積極的に聞き出しておきながら、当初の確認とはまったく違う方法で対応し、結果として損害を与えたのは労基署であるにもかかわらず、そのことにはまったく触れず、実際に損害を受けたのは夫であるのだから、控訴人(私)には関係ないという結論付けをしているのです。
しかも、夫の損害賠償請求をするにあたっては、一審から上告に至るまで、原告適格について、任意的訴訟担当という法理論を持ち出してかなりのスペースを割いて論証したにもかかわらず、ごく短く簡素化されて要約され、原告適格の当否については判断されませんでした。さらに、信義則の判例を示して、本件の場合にも適用されるべきであるということを主張したのですが、信義則の主張をしていることすら、一切、判決書に盛り込まれませんでした。
事件の経緯と裁判の最大の疑問点  ~記載されなかった信義則の主張~
まさに、これは後者の 「切り捨て御免型」にカテゴライズされます。


素人の私が、自分の主張を正当化するために、出来る限りの法理論を駆使して論証しているというのに、プロである裁判官らは、厄介な法理論には一切触れずに、都合が悪いことは冗長な文章でごまかし、非論理的な支離滅裂な理由で結論付けているのです。
こんなことでは裁判をする価値など、まったくありません。
「おバカでも務まる裁判官」ていう表現がぴったりです。
もちろん、すべてがそういう裁判官ばかりではないことも確かです。

素人に配慮してくれた良心的な裁判官だっています! (一審・1)


    

 追記 
イスラム国に拉致された後藤氏・湯川氏の惨殺劇の真相については、こちらのブログをご覧ください。
新ベンチャー革命2015年2月1日 No.1053


I am not Abe.
こちらも必見です。
古賀茂明氏が語る「I am not Abe」発言の真意


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16コメント

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ろーずまりーさんへ!!

おばんです!
私も、体はきついのですが、いまの政権の理不尽を許すことができず、ささやかではありますが啓蒙の精神を
啓発しようと懸命になっています。

ネット情報も左右極端がありますが、萎縮した大手メデイアよりはニュース発信の能力があると思い驚いています。

ブログのネットワークは賛同者が多いのですが、体験と経験による真実が多いと思いますので、大切な、連携だと思います。!

司法と行政の専門分野で活躍されている、ろーずまりーさんの記事には感激と感銘を致すところです。!!

司法はいまや。検察の不祥事により危機的状態ですが、本来は憲法の番人として大事な機関です。
特に行政訴訟は国が原告ですので、バックの国家が「負けない」事がアリキなのですね~~渇)

裁判官は国家公務員の最高地位です。内閣は裏では税金の無駄と思っていて司法を牛耳っています。汗)

裁判官と検事は、前にも言いました通り裏では司法試験合格者のエリート仲間です。汗)
猥褻写真を蔵で秘かに見て喜んでいるような堕落も起こるのは当然です。汗)
映画の倫理委員会と同じで世間には見せたくないと思う自分勝手な発想なのですね~~渇)涙)

冤罪事件が起こるのもこのような司法研修所の仲間意識がもたらす最悪の結果だと思います。!
裁判官も医師と同じく人格優先の制度に改革しない限りは世の中の理不尽は絶滅できないものと
思う訳ですね~~渇)

行政と司法は実は兄弟なのですねー。渇)又、財務官僚ともいとこ関係なのですね~~笑)
福島原発被害者も同じ論理で被災者の被害保証金を如何にして減額するかに焼っきになっているわけでしょうねー。渇)怒)

最近、ネット上で知ったのですが、古賀さんが言いだした
「I am not abe.」は真実を訴えているものと思いますが反日・ 左翼と言われると思いためらっているところです。
最近は、特定秘密法が施行されたせいか、政府に都合の悪い記事や写真が消されているケースが増えて来ました。

有権者は、司法(裁判所)が唯一の正義と思うことは当然なのですが米国ほどではないにしろ、必ずしも正義のの機関ではないことを認識してほしいと思います。

最高裁の「違憲審査権」も安倍さんの意見で「どうにもなること」と疑うことが大事なことかと言うのは、いまや常識なのですねー。!
反安倍政権と思われるようなコメントで申し訳ありませんが宜しく取り計らわれることを願うものです。!!












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ろーずまりー

Re: 鷹虎さん

いつも、鷹虎さんのタイムリーな情報発信に感心させられます。
なんと言いましても、情報収集能力が素晴らしく、膨大な情報の中から何が本質かを見極め、正論をおっしゃっているので、安心して拝見することができます。

政治は、トンデモない方向へ暴走しはじめましたね!!
今なら、なんとか食い止めることができるかもしれないと思い、あまり政治のことは発信していない拙ブログも、〝I am not Abe."を掲げました。
もちろん、私は左翼でも反日でもありませんが。(笑)

ネット情報は、正論を言っても、それに反対する勢力も現れるので、何が本当なのか、見る方も賢さが求められますね。

多くの方が、腐敗しきった司法に苦しめられています。
腐敗していることを知らずに裁判所を利用したばかりに、本来の事件の被害に加え、裁判でも被害を受け、二重に苦しめられています。
そのほとんどに行政が関与しており、裁判になっても勝つことを知ってかどうか、原因とか問題点を共有されることなく、同じような行政事件が各地で起こっているように思います。
裁判も同じで、罪に問われないことを知ってかどうか、証拠の捏造なども日常茶飯事に行われているのではないでしょうかね。

司法がしっかりしていないから、行政もまともに機能しないし、安倍首相のような民主主義を冒涜するような政治家が出てきても、国民はどうすることもできなくなります。
司法も行政も、互いに弱みを握られていますから、適当なところで誤魔化しているんじゃないでしょうかね!!
鷹虎さん、有意義なコメント、ありがとうございます。

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T_Ohtaguro

裁判官と詐欺師を見分ける方法

裁判官と詐欺師を見分ける方法は簡単です。

手数料を納付しなければよい。

納付命令を発することなく審理を行えば裁判官であり、納付命令を発すれば詐欺師です。

前者は、法令を適用することによる権利義務に関する争いについて、法令を適用することによって解決し、報償を得ます。

後者は、法令を適用することによって解決するか否かにかかわらず、解決を要求されたことをもって、報償としての手数料の納付命令を発します。

後者は、手数料の納付命令を発する口実を得るために、法令に反する権力を行使して、問題を悪化させ続けます。

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ろーずまりー

Re: T_Ohtaguro 様

コメント、ありがとうございます。
明らかに後者のケースなので、詐欺罪で刑事告訴しようとしましたが、受理しません。
受理させる有効な手段がありましたら、よろしくお願いします。


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T_Ohtaguro

>受理させる有効な手段がありましたら、

もうしばらくお待ちください。

現在、特別抗告提起手数料の納付について債務不存在の訴えを提起し、訴状却下命令に対し、抗告を提起し、これに対する抗告手数料納付命令に対し、特別抗告を提起しています。

他に、去年行われた国民審査について、更に2年前に提起した訴えに対し審判を行っていないにもかかわらず、補正命令を発し、訴状却下命令を発したことにより違憲性が是正されず、罷免の可否についてわからない者が投じた票により罷免を可とする票の効力が相殺され、多数となることを妨げられた旨を主張し、訴えを提起しています。

国民審査の効力に関する異議事件においては、三十六条又は第三十八条の規定による訴訟が提起されたとき若しくは裁判所に係属しなくなつたとき又はその訴訟について裁判が確定したときは、裁判所の長は、内閣総理大臣及び総務大臣を通じ中央選挙管理会に対し直ちにその旨を通知しなければならない規定があるため、通知の有無を確認することにより牽制しています。

事件番号は東京高等裁判所 平成27年(行タ)第7号です。

内閣総理大臣・総務大臣をへてなお訴状却下命令を発するか、期日を指定するか、対応待ちです。

申立手数料納付命令の違憲性を最高裁判所 大法廷に認めさせれば、手数料納付命令詐欺集団を壊滅することができると思います。

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ろーずまりー

Re: T_Ohtaguro 様

さすが、T_Ohtaguro様。
次元の高いところで、司法と闘っていらっしゃいますね。
国民審査は、不可解な制度だと前から思っていました。
応援してます。

検察の不起訴処分に対する異議申立も、不起訴裁定の要件を満たしていないなど、こちらの確認事項には一切答えず、不起訴処分に問題はないという一言の審査通知で片付けられてしまいました。
とにかく法律を無視して、やりたい放題です。
裁判官らや被告代理人らに対する不起訴処分を正当化することで、詐欺の告訴状を受理する必要がないという滅茶苦茶な論理です。
よろしくお願いします。

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