国家賠償訴訟

無駄で無意味だった “司法制度改革審議会”

「国家賠償訴訟」「国家賠償訴訟の実情」等で検索すると、唯一、政府機関のサイトとして検索結果の上位にランクインされるのが、前回お伝えした下記のサイトで、ここ数年、このサイトしかヒットしません。
http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/dai42/pdfs/42houmu_2.pdf
そのこと自体が、国家賠償制度が、如何にデタラメな制度であるかということを物語っています。すなわち、統計等の資料を公表できないほど、酷い状況だということです。


このサイト、ドメインに「kantei.go.jp」が含まれていますので、どうやら「官邸」のサイトのようです。
「どうして、官邸から国家賠償訴訟の資料が?!」と思い調べてみると、内閣に設けられた司法制度改革審議会で配布された資料のひとつで、官邸のHPで公開されているからです。


司法制度改革審議会とは
21世紀の我が国社会において司法が果たすべき役割を明らかにし,国民がより利用しやすい司法制度の実現,国民の司法制度への関与,法曹の在り方とその機能の充実強化その他の司法制度の改革と基盤の整備に関し必要な基本的施策について調査審議することを目的として内閣に設けられた審議会ですが、同審議会は平成13年7月26日をもって2年の設置期限が満了いたしました。
http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/ より)

 司法の明るい未来を予感するようなふれこみですが、実際には、まったく無駄・無意味な審議会であったことがうかがえます。

冒頭の「国家賠償訴訟の実情」は、平成12年12月26日の 第2次 森喜朗内閣のときの第42回会議の際に、法務省から配布された参考資料ですが、それとともに、「司法の行政に対するチェック機能(の強化)」について、この審議会の委員や法務省、最高裁判所事務総局、日本弁護士連合会から、意見や回答が資料として配布されています。
その中に、たいへん興味深い資料を見つけました。
行政訴訟・国家賠償制度の問題点を指摘している箇所を、抜粋してご紹介します。この審議会が行われた数年後の私の裁判に、そのまま当てはまる内容です。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「説明義務と証拠の開示」について
行政訴訟・国家賠償訴訟では、行政が一方的に行った権力行為に対して、被処分者・被害者が救済を求めている。既述のように、行政訴訟では両当事者の地位はおよそ対等ではないから、被告である行政側に、原則として証拠を開示させるとともに、万一証拠の改竄があった場合には、厳罰をもって処分すべきである。そして行政庁は、国民に対して、自らの行った処分の理由を進んで説明すべきであり、またそうする職責がある。具体的には、(中略)そして、裁判所は、両者の地位の実質的対等性を確保するように、法律関係が不明確であれば、被告側に釈明し、証拠を提出させるなど随時訴訟指揮すべきである。

「裁判所の姿勢」について
裁判所に、国民の立場から行政の行為を適切に監視するという強い意思がなければ、行政訴訟の現状は改善しない。
現在の裁判官の行政訴訟への対応については、第一に、多くの裁判官は行政法には詳しくなく、しかも学説を参照しつつ,それ以前の判例を批判的に検討して新しい法を創造する意欲が見られないこと、第二に、裁判官は、本案に入った時に,地方自治体の判断を覆すことには比較的躊躇しないが、中央官庁の所管する法律に関する処分を覆すことには積極的ではないことなどが指摘されている。従来より行われている「判検交流」のために、裁判官に、国民よりも「官」の側の一員として行政に共感するかのような行政親和的な気風があるとすれば由々しき事態である。
http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/dai42/42takagi.html より)


訴訟手数料について
行政訴訟の提起には適法な行政の確保という公益目的もあることに鑑み、訴えの手数料は一律(定額化)かつ低額化するよう民事訴訟費用等に関する法律を改正すべきである。
http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/dai42/pdfs/42nitibenren.pdf より)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以上から、これまで当ブログで指摘してきたような偏った国家賠償訴訟・行政訴訟の実態が、少なくとも13年以上前から認識され、指摘されていたということがわかります。
上記資料では、行政の不正行為として「証拠の改竄」という例を示していますが、私のケースでは、被告代理人による証拠の捏造・差し替えという極めて悪質な犯罪行為が行われています。
それにかかわった被告代理人は、次の者たちです。


    被告代理人1    被告代理人2

 司法制度改革審議会の資料から、一般の審議会委員の意見に、法務省や最高裁判所事務総局が回答するという形をとっているようですが、このときの委員の貴重な意見がまったく活かされておらず、行政訴訟・国家賠償制度が、改革されることも進展もないまま現在に至っているのが実情です。
その背景を、このとき配布された法務省の(笑っちゃう)資料からうかがい知ることができます。

 この続きは次回にします。

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7コメント

T_Ohtaguro

>訴え提起を容易にするための方策

>現在の行政訴訟制度では、訴訟要件の欠如を理由に訴えが却下され、裁判所の審理が及ばない行政上の行為が多い。
>裁判所における「門前払い」は原告である国民に「裁判所で十分審理され、裁判所の判断を受けた」という満足感を与えず、ひいては広く国民の間に、行政と裁判所に対する不信感を醸成する。
___

すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する〔日本国憲法 第七十六条1項〕。
何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない〔日本国憲法 第三十二条〕。
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする〔日本国憲法 第十三条〕。

裁判所は、日本国憲法に特別の定のある場合を除いて一切の法律上の争訟を裁判し、その他法律において特に定める権限を有する〔裁判所法 第三条1項〕。

司法権の固有の内容として裁判所が審判しうる対象は、裁判所法三条にいう「法律上の争訟」に限られ、いわゆる法律上の争訟とは、「法令を適用することによつて解決し得べき権利義務に関する当事者間の紛争をいう」ものと解される(昭和二九年二月一一日第一小法廷判決、民集八巻二号四一九頁参照)。

よって、裁判所法 第三条1項に掲げる法律上の争訟に該当する限り、裁判所は司法権の行使〔訴訟物たる権利または法律関係の存否の主張に対する審判〕による福利〔法令を適用することによって得べき権利〕について、法律上の争訟の当事者は、これを奪われないから、裁判所は司法権を行使しなければならない。

憲法の条規に反することを理由とする限り、日本国憲法 第九十八条1項に掲げる「法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部」の効力について、裁判所は違憲審査権を行使しなければならない。
___

法律上の争訟に該当するにもかかわらず、訴えを却下すると、自力救済禁止により、現状維持を強制する権力を行使することになる。

違憲審査請求に該当するにもかかわらず、訴えを却下すると、国権〔違憲審査権〕を排除して、権力を行使したことになる。

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ろーずまりー

Re: T_Ohtaguro 様

とにかく裁判所は法律的審判をすることを職務としているにもかかわらず、高度で面倒な法律関係や、行政法に関する法律関係については、判断を避ける傾向にありますよね。
訴えを起こした原告は、何のための裁判だったのかということになり、不満ばかりが募ります。
それより、さらに酷いのは、原告の請求を根拠づける重要な法理であるのもかかわらず、判決を意図的に誘導するために、その原告の主張する法理さえ判決書に盛り込まないという悪質な手を使います。
私の裁判の一審(高原章裁判長)、二審(大橋弘裁判長)では、まさに、そのケースです。

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