原発事故バブル
先週末、一昨年の3月まで住んでいた福島県いわき市に行って来ました。
東京電力福島第一原発の周辺地域から避難している人たちの仮説住宅が市内のあちこちに建ち並び、人口は震災以前より大幅に増加しています。道路やお店は、相変わらずの混雑と賑わいでした。
以前あった建物は取り壊され、新しい建物になったり、前とは違うきれいなお店に様変わりしていたりと、街並みを見渡しただけでも急激な変化を感じます。
聞く話によれば、原発周辺からの避難者には月々1人当たり10万ほどの補償金?(賠償金?)が支払われているとかで、特にそのような人たちによる消費が盛んなようです。
仮説住宅から一般の中古住宅への住み替えを求める人も多く、需要に供給が追い付かない状況です。
いわき市は、まさに“原発事故バブル”といった様相です。
その一方で、妻子を首都圏などの遠くに住まわせ、夫だけが市内に残り仕事を続けている家族、若い看護師たちが子供を連れて避難してしまい、新たな看護師を見つけようにもなかなか見つからず、人手不足で夜間の診療体制を見直さざるを得なくなった病院、閉院して遠くに避難する開業医など、医療従事者の不足が顕著になってきているそうです。
被曝の危険性を十分認識している医療関係者だからこそ、「避難」という賢明な選択したのかもしれません。
アンバランスな状況での街の賑わいに、著しい違和感を覚えました。
知人たちは、さらに気になる話を口にしていました。
とにかく亡くなる人が多いということです。知り合いの多い友人は、年末から葬式続きだということを言っていました。葬祭場や火葬場を確保するのも大変なそうです。
人口が増えているのだから、相対的に増えるのは当然という見方もあるかもしれませんが、果たして、そうなのでしょうか。
思わず、前日、東京に向かう新幹線の中で読んだ「福島原発事故 県民健康管理調査の闇(日野行介)」の内容が頭をよぎりました。
放射線によるがんやその他の疾患の発症には、しきい値(下限となる基準)がないということです。
低線量被曝との因果関係を疑わずにはいられませんでした。
震災後の1年間、いわきに住んでいたときには、食物や飲料水に細心の注意を払いがらも、放射線による不安が街の賑わいに掻き消されるような感覚がありましたが、一旦、離れてみると、再びこの地に足を踏み入れることに、多少の不安を感じます。
折りしも、福島第一原発4号機では、燃料棒の取り出し作業が行われています。わずか43時間ほどの滞在でしたが、この間に、原発のトラブルや大地震が起きなかったことに胸をなでおろし、また友人たちと再会することを楽しみにしながら、いわきを後にしました。
見返しの解説より
未曾有の原発事故により放出された大量の放射能。住民の健康への影響を調べる福島県の調査の裏で、専門家、行政担当者たちは一体、何をしていたのか。秘密裏に会議を繰り返し、事前に調査結果に対する評価をすりあわせ、議事録までも改竄ー。一人の記者が,“闇”に立ち向かい、調査報告でその実態を明らかにする。
偏向報道が甚だしい既存メディアですが、一握りでも、このような真実に立ち向かう気骨のある記者がいることに、多少の希望を感じました。
「改竄」「隠蔽」「情報操作」など、この国の病巣ともいうべき常套手段が、国民の生命にかかわる重大な調査にも巣食っていたことを痛感させられました。まさに、このブログのテーマでもある不公正な国家賠償訴訟の実態と重なります。



東京電力福島第一原発の周辺地域から避難している人たちの仮説住宅が市内のあちこちに建ち並び、人口は震災以前より大幅に増加しています。道路やお店は、相変わらずの混雑と賑わいでした。
以前あった建物は取り壊され、新しい建物になったり、前とは違うきれいなお店に様変わりしていたりと、街並みを見渡しただけでも急激な変化を感じます。
聞く話によれば、原発周辺からの避難者には月々1人当たり10万ほどの補償金?(賠償金?)が支払われているとかで、特にそのような人たちによる消費が盛んなようです。
仮説住宅から一般の中古住宅への住み替えを求める人も多く、需要に供給が追い付かない状況です。
いわき市は、まさに“原発事故バブル”といった様相です。
その一方で、妻子を首都圏などの遠くに住まわせ、夫だけが市内に残り仕事を続けている家族、若い看護師たちが子供を連れて避難してしまい、新たな看護師を見つけようにもなかなか見つからず、人手不足で夜間の診療体制を見直さざるを得なくなった病院、閉院して遠くに避難する開業医など、医療従事者の不足が顕著になってきているそうです。
被曝の危険性を十分認識している医療関係者だからこそ、「避難」という賢明な選択したのかもしれません。
アンバランスな状況での街の賑わいに、著しい違和感を覚えました。
知人たちは、さらに気になる話を口にしていました。
とにかく亡くなる人が多いということです。知り合いの多い友人は、年末から葬式続きだということを言っていました。葬祭場や火葬場を確保するのも大変なそうです。
人口が増えているのだから、相対的に増えるのは当然という見方もあるかもしれませんが、果たして、そうなのでしょうか。
思わず、前日、東京に向かう新幹線の中で読んだ「福島原発事故 県民健康管理調査の闇(日野行介)」の内容が頭をよぎりました。
放射線によるがんやその他の疾患の発症には、しきい値(下限となる基準)がないということです。
低線量被曝との因果関係を疑わずにはいられませんでした。
震災後の1年間、いわきに住んでいたときには、食物や飲料水に細心の注意を払いがらも、放射線による不安が街の賑わいに掻き消されるような感覚がありましたが、一旦、離れてみると、再びこの地に足を踏み入れることに、多少の不安を感じます。
折りしも、福島第一原発4号機では、燃料棒の取り出し作業が行われています。わずか43時間ほどの滞在でしたが、この間に、原発のトラブルや大地震が起きなかったことに胸をなでおろし、また友人たちと再会することを楽しみにしながら、いわきを後にしました。
見返しの解説より
未曾有の原発事故により放出された大量の放射能。住民の健康への影響を調べる福島県の調査の裏で、専門家、行政担当者たちは一体、何をしていたのか。秘密裏に会議を繰り返し、事前に調査結果に対する評価をすりあわせ、議事録までも改竄ー。一人の記者が,“闇”に立ち向かい、調査報告でその実態を明らかにする。

「改竄」「隠蔽」「情報操作」など、この国の病巣ともいうべき常套手段が、国民の生命にかかわる重大な調査にも巣食っていたことを痛感させられました。まさに、このブログのテーマでもある不公正な国家賠償訴訟の実態と重なります。



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