原子力発電

この人たちに任せて本当に大丈夫?!

10日程前に、3月まで住んでいた福島県いわき市の保健所 放射線健康管理センターからホールボディーカウンターによる内部被曝検査実施の通知が転送されてきました。
同封されていた「申請書兼同意書」には、「上記の事項について、同意の上、検査を受検いたします。」と書かれており、その上記の事項というのが、次のことです。


「 内部被ばく線量評価のための検査は、放射性物質(放射性セシウム)が体内に取り込まれているかを判断するための検査です。
 検査結果については、皆様にお知らせするとともに、データはいわき市が保管し、必要に応じ、プライバシーに配慮した形で、検査結果の一部を公表させていただきます。
 また、福島県が進める県民健康管理調査の一環として、県(県立医科大学を含む)に検査結果を提供することがあります。


「福島県民はモルモットか?」という嫌な思いが頭をよぎったのが、最後の文の「県(県立医科大学を含む)に検査結果を提供することがあります。」というところです。
県立医科大学といえば、「ミスター100ミリシーベルト」の異名を持つ長崎大学の山下俊一教授が、原発事故の直後に佐藤雄平福島県知事の要請で「福島県放射線健康リスク管理アドバイザー」に任命され、その後、県立医大の副学長兼放射線医学県民健康管理センター長に就任しています。


佐藤雄平福島県知事と山下俊一教授のことについては、当ブログでも以前お伝えしており、詳しことは、下記の記事をご覧ください。

原発事故 前福島県知事の逮捕さえなければ・・・・
原発事故の責任 検察や裁判所にも・・・
人体実験を容認!! 福島県立医大 入学式


とにかく、通常のウランによる発電と比較し危険性と毒性をともなうプルサーマル発電を東京電力福島第一原発3号機に受け入れ、より深刻な被害を発生させる原因を作った県知事、100ミリシーベルトまでは安全だとして適切な対策を講じなかった山下教授、これらの人物の管理下で、検査データが恣意的に利用されはしないかという懸念がつきまといます。
そのような中、つい最近読んだ 「政府は必ず嘘をつく(堤未果著)」 という本に、私が危惧していることが現実になるのではないかということを予測させる記述があったので紹介します。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

● 国際機関というと、つい私たちは信頼のおける機関として信用してしまいがちだが、実はそうではない。
国際放射線学会が放射線無害を表明している上に、バックについているWHO(世界保健機構)やIAEA(国際原子力機構)も、国連常任理事国同様、原発推進の立場である。

● 山下教授はチェルノブイリ原発事故の際、「放射線による影響はない」と報告した放射線影響研究所の重松逸造教授と同じ調査チームのメンバーである。
佐藤雄平知事から「福島県放射線健康リスク管理アドバイザー」として雇われた後、「朝日がん大賞」を受賞、それからまもなく、福島医大が放射線医療の拠点化を目指してまとめた「復興ビジョン」を出している。
(放射線関連の医療産業の集積に取り組む。産学連携の研究施設として、ふくしま医療産業振興拠点(仮称)を設け、地元や海外の企業と連携して放射性医療の検査、診断、治療に用いる機器開発などを促進する。研究のパートナーとなる企業誘致も進め、地域産業の活性化と雇用創出にもつなげる)(福島民報、2011年9月20日付)
さらに、8月9日には、山下氏の勤務する長崎大学がIAEAとの間で被ばく医療分野の学術交流や人材育成協力のための実務合意に調印している。IEAEは、原子力の平和利用を推進する目的で設立された国際機関だ。
その直後に、イギリスでは、WHOが「原発の人体への影響を担当する放射線健康局」を閉鎖しており、実質的な調査権限が原発推進機関であるIAEAに一本化されていたことを認めたニュースが流れた。
11月には、福島県は、野田総理に18歳以下の県民の医療費を無料化する要請を出している。

● 著者が取材した原発閉鎖を掲げるIPSEC(Indian Point Safe Energy Coalition)のメンバー、アレン・ギルバート医師は、「山下氏個人の意図がこうだと断定はできません。ですが、ここまで利害関係を持った人物を放射線アドバイザーとして県が迎え入れたことを、国民はその背景と共に重く受け止めるべきでしょう。判断するのが、日本の国民ですが、私ならマスコミに次々登場し安全を力説する学者たちの所属大学に、事故を起こした電力会社から約5億円という額が流れていることを重要視しますね。9・11後一斉にテレビに登場し『テロとの戦い』を煽った専門家たちも、政府に雇われていたことが、後で暴露されましたから。
ひとつ言えることは、福島は今、世界中の軍や医療従事者、学者や原発関係者にとって、のどから手が出るほど欲しい、被ばくにおける最新研究対象だということです」

● 利権構造全体を理解することは、重要な事実に関する隠ぺい、ねつ造、またはすり替えを見抜くためのカギになる。
原発の場合であれば、情報の発信元がその巨大な利権を支える〈原子力村)の構成員(官僚、電力会社、マスコミ、学者等)であるかどうかで、それを出す意図や受け手を導く方向性が変わってくるだろう。



ここでは、原発関連のことだけを紹介させていただきましたが、東京都が被災地の瓦礫の受け入れを表明した背景から「アラブの春」に至るまで、世界中の動きが、複雑な利権構造の中で流動していることを伝えています。

その背景にあるのは、想像を絶する資金力を付けた経済界が政治と癒着する(コーポラティズム)だ。
当然のことながら、情報を伝える側のマスコミも、この利権構造の中にからんでいるので、正確な情報を伝えようとはしない。
9・11では、マスコミのセンセーショナルな報道に気をとられていた国民は、その深刻さに気づかず、大惨事につけ込んで実施された大幅な規制緩和や市場化の過激な市場原理主義「ショック・ドクトリン」によって貧困格差が加速し続けている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

この本を読むと、東日本大震災の被災地復興の名のもとに閣議決定された復興特別区域法や、野田政権が勧めようとしているTPP、大阪府の教育基本条例などが実施された後には、この日本がどうなるのかということが予測できます。
裏表紙に書かれているように「今こそ、自ら考え、行動し、真実を見抜く目を持つことの意義を問いかけている」のです。
読む価値のある大変すばらしい一冊でした。


 特に、情報の洪水の中で何を信じてよいかわからずにいる方、マスコミの情報につい踊らされてしまいがちな方には、是非、読んでいただきたい本です。

        

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4コメント

ろーずまりーさんへ!!

詳しいことはわからないのですが、被ばく線量をなぜ隠蔽するのでしょうか?!
福島産の生産物を一時的に買わなくなっても、事、人命に関わることは正確に伝えて欲しいものと思うのですが、東電は事実上国家の責任となるので国も隠蔽に関わっていると思います。

「すぐには人命に影響がない・・」という説明が多いようですが、長いこれからのことは誰もわからないことだと思います。
やはり、大変な事態だと思うのです。
その中で、がれき処理に群れる公共事業には黒い噂もあり日本お財界は何を思っているのかと腹が立ちますねー。

Edit
ろーずまりー

Re: 荒野鷹虎さん

鷹虎さん、こんばんは~。

被ばく線量を隠蔽するのは、スピーディーのデータに基づいて適切な避難指示を出さなかった政府の責任逃れと、事故を矮小化することで、今後も原発再稼働どころか推進をしたいからじゃないでしょうかね。

「すぐには人命に影響がない・・」
そこが、原発事故との因果関係を否定したい政府に都合よく利用されてしまいそうです。

東京都が瓦礫の処理を受け入れたのは、結局は東京都の利益のためだったようです。
瓦礫処理を受注したのは東電が95%以上出資している会社であること、東電の天下りの半分は東京都の幹部職員であること、東京都は東電の大株主であることなど、東電に利益がもたらされなければ東京都が困るからのようです。
本文で紹介している本に書いてありました。
除染を請け負う会社も似たような関係で、原発関連企業が潤う仕組みになっているようです。
政府と企業の癒着、事故を起こしても、この腐った関係は続いているのです。

Edit

ろーずまりーさんへ!!

解説ありがとうございました。東電はまったくずるいです。大惨事を起こし、人為的事故とはんていされても、なお無反省な態度、幹部以上の全員解雇をして欲しいと思います。国有化しても、国の税金ですものね。福島の約1300人の人が告訴しましたが、検察は是非受理して裁判に持ち込んで欲しいものです。怒りが収まりません。

Edit
ろーずまりー

Re: 荒野鷹虎さん

解説というほどのものじゃありませんが、どういたしまして。
ホントに東電の態度、何様のつもりでいるのでしょうかね。
といいましても、国策で原発を推進してきたわけですから、自分たちは国のために貢献してきたなんて思っているかもしれませんね。
勝俣会長らへの告訴状を受理したという報道、先ほど知りましたが、プルサーマルを推進するために前福島県知事を不当に逮捕したのが東京地検特捜部、そして原発推進に有利な判断をしてきたのが各地の裁判所ですから、突き詰めていけば自分たちの足元に火がつきかねないわけですから、私の告訴している事件と同様、被告訴人らが正当に処罰されるかどうかは、かなり疑わしいですね。
結局は、三権分立の国家として機能していないというところに行きつくのですが・・・・

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