プルサーマル3号機の爆発は 即発臨界だった!!?
佐藤栄佐久前福島県知事が、原子力発電や原子力行政のことをよく勉強し、福島県民を守るために国や東京電力と闘ってきたことは前々回お伝えしたとおりです。
その前知事が、まさしく原子力行政に立ち向かっていた最中の、2006年10月、木戸ダム建設工事に絡んで、ゼネコンの水谷建設から賄賂を受け取ったという収賄罪で逮捕・起訴されました。
東京地検特捜部が描いた事件の筋書きは、次のようなものです。
前知事の実弟が経営するスーツ会社の土地を、水谷建設が相場より約7000万円高い約8億7000万円で購入したのですが、この差額の約7000万円を、特捜部は、木戸ダムを前田建設工業、水谷建設で受注する際の「賄賂」と見立てたもので、前知事の罪は、実弟の要請を受け入れ、県に対して「天の声」を発したというものです。
ところが、この裁判の行方は、実に奇妙な展開となっていくわけですが、このことについては別の機会に詳しくお伝えします。
この前知事の逮捕により、福島の原発で何が最も変わったかといえば、それは、プルサーマルが実施されたことです。
前々回お伝えしたように、前知事はプルサーマルを実施しないことを明言していました。
ところが、昨年8月、佐藤雄平 現知事が、東京電力福島第一原発3号機でのプルサーマル計画を正式に受け入れることを表明し、東京電力は、昨年9月23日、福島第一原発3号機で、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使ったプルサーマル発電を開始しました。
プルサーマル発電には、主に次のような危険性があります。
プルサーマル発電の危険性
● プルトニウムは、ウランと比べ数十万倍もの毒性をもっている
● プルトニウムを燃料とするということは、平常時の危険は確実に増加し、万一の事故時の危険も増加する。
● ウランを燃やすために設計された原発で、プルトニウムを燃やせば、さまざまな問題が起こって安全性が低下する。
● プルサーマルで使われた使用済み核燃料は、普通のウラン燃料に比べて発熱量が高く、超ウラン元素という厄介な放射性核種を多く含んでいる。
( 「隠される原子力 核の真実(小出裕章 著)」 から引用。 )
通常の発電を行っていた1号機と、プルサーマル発電を行っていた3号機の爆発映像を比較してみると、プルサーマル発電の危険性は一目瞭然です。
米国 フェアウィンズ・アソシエーツ社チーフエンジニア アーニー・ガンダーソン氏(米国のスリーマイル原発事故の際、事故調査団のメンバーでもあった。)の解説を要約します。
3号機で、何が起こったのか?(1号機との違い。)
次の2つの言葉は、両方とも爆発の事象を表す言葉であるが、意味が違う。
deflagration・・・・衝撃波が音速である。
閃光を伴わない。
(水素爆発はこれにあたる。)
detonation・・・・・衝撃波が音速を超えるもの。
閃光を伴う。
1号機は、deflagration にあたり、水素と酸素が反応して水素爆発が起こった。
3号機は detonation にあたり、明るい黄色の閃光が建屋の南側(右側)側面で光り、黒い大きな噴煙がすごい勢いで上方に立ち昇った。細かい粒子のウランはハワイや西海岸で検出され、パウダー状のプルトニウムも発電所付近で検出され、アメリシウムはニューイングランドでも検出されている。これらの超ウラン元素と呼ばれる核種の検出と黒煙は、ウランやプルトニウムが揮発したことを意味する。
3号機の写真から、建屋の大部分、特に南側が無くなっているが、赤外線写真では同じ場所に高温部分の熱源が確認できる。
このデータは、3号機の格納容器・原子炉は損傷を受けていないことを示している。
これらから、次のような仮説が立てられる。
① 水素・酸素の水素爆発が起こり
② それによって燃料棒が激しく動いて変形するような衝撃波が生じた。
③ 使用済み燃料プールの燃料棒が変形し(集約したことで)即発臨界による核反応を起こした。
④ その核反応が、プールから燃料棒を含む核燃料棒集合体などを吹き飛ばし、噴煙を噴き上げる爆発エネルギーと3号機での劇的な場面を作り出した。
この仮説を確かめるためには、噴煙に含まれる核種の同位体を調べることだ。
2つのキセノン(Xe)の同位体の比率によって、燃料プールで即発臨界が起こったかどうかがわかる。
米軍機が、噴煙のサンプルを採集しているので、実験室で分析し、おそらく政府はその証拠を持っているでしょう。
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原爆のキノコ雲を思わせる3号機の爆発、素人ながらも、ただならぬことが起きたんじゃないかって思いましたが、臨界に達した可能性があるのですね
とにかく、プルサーマルが行われたことで、より重大で深刻な影響を周辺環境に及ぼしたといえます。
政府は、校庭の利用基準を年間20ミリシーベルトという高い値に設定して子供たちを被曝の危険にさらしていますが、子供や住民自体をサンプルとして、今後数十年におよぶ追跡データでも採集するつもりなのでしょうか。
政府は、すみやかに正確なデータを公表し、一刻も早く適切な対策をとるべきです。



その前知事が、まさしく原子力行政に立ち向かっていた最中の、2006年10月、木戸ダム建設工事に絡んで、ゼネコンの水谷建設から賄賂を受け取ったという収賄罪で逮捕・起訴されました。
東京地検特捜部が描いた事件の筋書きは、次のようなものです。
前知事の実弟が経営するスーツ会社の土地を、水谷建設が相場より約7000万円高い約8億7000万円で購入したのですが、この差額の約7000万円を、特捜部は、木戸ダムを前田建設工業、水谷建設で受注する際の「賄賂」と見立てたもので、前知事の罪は、実弟の要請を受け入れ、県に対して「天の声」を発したというものです。
ところが、この裁判の行方は、実に奇妙な展開となっていくわけですが、このことについては別の機会に詳しくお伝えします。

前々回お伝えしたように、前知事はプルサーマルを実施しないことを明言していました。
ところが、昨年8月、佐藤雄平 現知事が、東京電力福島第一原発3号機でのプルサーマル計画を正式に受け入れることを表明し、東京電力は、昨年9月23日、福島第一原発3号機で、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使ったプルサーマル発電を開始しました。
プルサーマル発電には、主に次のような危険性があります。
プルサーマル発電の危険性
● プルトニウムは、ウランと比べ数十万倍もの毒性をもっている
● プルトニウムを燃料とするということは、平常時の危険は確実に増加し、万一の事故時の危険も増加する。
● ウランを燃やすために設計された原発で、プルトニウムを燃やせば、さまざまな問題が起こって安全性が低下する。
● プルサーマルで使われた使用済み核燃料は、普通のウラン燃料に比べて発熱量が高く、超ウラン元素という厄介な放射性核種を多く含んでいる。
( 「隠される原子力 核の真実(小出裕章 著)」 から引用。 )
通常の発電を行っていた1号機と、プルサーマル発電を行っていた3号機の爆発映像を比較してみると、プルサーマル発電の危険性は一目瞭然です。
米国 フェアウィンズ・アソシエーツ社チーフエンジニア アーニー・ガンダーソン氏(米国のスリーマイル原発事故の際、事故調査団のメンバーでもあった。)の解説を要約します。

次の2つの言葉は、両方とも爆発の事象を表す言葉であるが、意味が違う。
deflagration・・・・衝撃波が音速である。
閃光を伴わない。
(水素爆発はこれにあたる。)
detonation・・・・・衝撃波が音速を超えるもの。
閃光を伴う。
1号機は、deflagration にあたり、水素と酸素が反応して水素爆発が起こった。
3号機は detonation にあたり、明るい黄色の閃光が建屋の南側(右側)側面で光り、黒い大きな噴煙がすごい勢いで上方に立ち昇った。細かい粒子のウランはハワイや西海岸で検出され、パウダー状のプルトニウムも発電所付近で検出され、アメリシウムはニューイングランドでも検出されている。これらの超ウラン元素と呼ばれる核種の検出と黒煙は、ウランやプルトニウムが揮発したことを意味する。
3号機の写真から、建屋の大部分、特に南側が無くなっているが、赤外線写真では同じ場所に高温部分の熱源が確認できる。
このデータは、3号機の格納容器・原子炉は損傷を受けていないことを示している。
これらから、次のような仮説が立てられる。
① 水素・酸素の水素爆発が起こり
② それによって燃料棒が激しく動いて変形するような衝撃波が生じた。
③ 使用済み燃料プールの燃料棒が変形し(集約したことで)即発臨界による核反応を起こした。
④ その核反応が、プールから燃料棒を含む核燃料棒集合体などを吹き飛ばし、噴煙を噴き上げる爆発エネルギーと3号機での劇的な場面を作り出した。
この仮説を確かめるためには、噴煙に含まれる核種の同位体を調べることだ。
2つのキセノン(Xe)の同位体の比率によって、燃料プールで即発臨界が起こったかどうかがわかる。
米軍機が、噴煙のサンプルを採集しているので、実験室で分析し、おそらく政府はその証拠を持っているでしょう。
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原爆のキノコ雲を思わせる3号機の爆発、素人ながらも、ただならぬことが起きたんじゃないかって思いましたが、臨界に達した可能性があるのですね


政府は、校庭の利用基準を年間20ミリシーベルトという高い値に設定して子供たちを被曝の危険にさらしていますが、子供や住民自体をサンプルとして、今後数十年におよぶ追跡データでも採集するつもりなのでしょうか。
政府は、すみやかに正確なデータを公表し、一刻も早く適切な対策をとるべきです。



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