資料価値の低い国家賠償訴訟の統計 +特捜部長逮捕!
まずは、おさらいです。
国家賠償訴訟の統計が作成されていませんが、短期間だけ調査された資料から、その実情をうかがい知ることができます。
国家賠償訴訟で、原告が完全に敗訴した事件の割合は、1995年(平成7年)から1999年(平成11年)までの5年間では90%、2007年(平成19年)1月から2008年(平成20年)6月までの1年6ヵ月間では、およぞ98%となっています。
これらから、国家賠償訴訟は、やるだけ無駄と言わざるを得ない状況にあり、国家賠償訴訟の統計資料が作成されていない理由のひとつは、このような形骸化している国家賠償訴訟の実態を国民に悟られないようにするためではないかということが、前々回の記事の趣旨でした。
そして、今回、お伝えするのが、国家賠償訴訟の統計資料が作成されていない、さらなる理由です。
根拠もなく推論だけを述べたのでは、信憑性がありませんので、私の国家賠償訴訟での客観的事実に基づいて、考察してみたいと思います。
一審から上告まで行われた裁判においては、次のような不可解な点がありました。
① 一審(福島地裁いわき支部 高原章裁判長)では、客観的な証拠に基づいた原告(私)の主張は無視され、二転三転した主張を繰り返し、証拠を捏造して提出した被告(国)公務員の証言が判決理由として採用された。
「証拠採用の妥当性 ~一審の福島地方裁判所いわき支部判決~」
② 二審(仙台高裁 大橋弘裁判長)では、判決の趣旨に合致するように、控訴人(原告)の主張の趣旨をねじ曲げたものを判決理由として書き、さらには、判決理由の論理に矛盾があった。
「告訴状 ~裁判官を刑事告訴し、立件されました。~」
③ 最高裁まで送られ、一審の裁判所に戻って来たことになっている上告受理申立理由書を確認したところ、用紙の状態から、書面が読まれた痕跡が、まったく感じられなかった。
(二審までに提出した資料には、読まれた痕跡がハッキリと確認できた。)
④ 主張の趣旨をねじ曲げるという二審の裁判官による犯罪行為について、上告受理申立理由書で訂正を求めたが、何ら対処されることはなかった。→つまり、最高裁が書面を読んでいないか、または、無視した可能性がある。
(③、④については、 「最高裁判所は 本当に裁判資料を読んでいるの? ~裁判の不思議~」で詳しく述べています。)

前々回の記事にコメントをくださった「しま様」が次のようなことをコメントに書いてくださいました。
「国家が私人を訴えた場合、つまり検察に起訴された場合の有罪率が99%なのと同様、私人が国家を訴えた場合も97~98%で国家が勝つということなのですね。
行政権力はまず間違いを犯さない、ということだったら、お前ら裁判官なんぞそもそも必要ないだろ!と思わずツッコミを入れたくもなります。」
つまり、お役所のやることは、すべて正しいという前提の下に、裁判所の判断がされていることがうかがえます。
“裁判所が、公正、中立な裁判をするつもりがないのに国家賠償請求事件を受け入れている”ということを裏付けるのが、国家賠償訴訟の統計資料を作成していない理由なのです。
ちょっと分かりにくいかもしれませんので、詳しく説明します。
折りしも、この時期、国勢調査が行われています。記入法が書かれたパンフレットには、国勢調査について、「行政施策の基本資料として利用」「学術、教育、企業などの広範な分野で利用」「各種法令に基づく利用」と書かれています。
どうやら、国は、国民に関する統計資料に無関心というわけでは決してないのです。様々なことを調査した上で、その結果を、今後の国民生活に反映させようという姿勢がうかがえます。
ところが、なぜ国家賠償訴訟の統計資料に限っては、作成されていないのでしょうか

その理由を、私は次のように考えます。
それは、国家賠償訴訟の判決が、正しく判断されたものではないからです。
つまり、国が勝訴するように判決が恣意的にコントロールされており、そのような意図的に歪められた統計をとったところで、国民や行政組織の正確な動向や実態を知ることができず、統計資料としての有益な情報が得られないからです。


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大阪地検特捜部の主任検事だった前田恒彦容疑者によるフロッピーディスク改ざん事件に関連して、最高検は、昨夜、前特捜部長だった大坪弘道容疑者と、前特捜副部長だった佐賀元明容疑者を犯人隠避の疑いで逮捕しました。
最高検が、捜査を指揮する立場の検察幹部を逮捕したことは、検察自らが、これまでの流れを変える新たな段階に、一歩踏み出したといえます。
今回の犯人隠避は、検察の身内である証拠を改ざんした前田容疑者をかばったということなのですが、検察幹部が犯罪性を見逃し、しかも、前田容疑者にねぎらいの言葉をかけていたということは、同様のことが、これまでも日常的に行われていた疑いがもたれます。
これと同時に、外部の犯罪、たとえば、裁判官や政権与党の政治家等の犯罪についても、検察が、犯人隠避を行い、事件を隠蔽してきたという事実を忘れてはなりません。
都合の悪い事件は握りつぶす一方で、今回の郵便不正事件のように、ありもしない事件をでっち上げ、政治や政策の流れに強い影響力を及ぼしてきたことは確かなのです。
郵便不正事件は、小沢民主党政権誕生を阻止するために、小沢氏周辺を逮捕しまくった一連の事件のひとつであると思われることから、大阪地検だけの問題にとどめず、すべての事件について検証する必要があります。
検察幹部が逮捕されたことで、時代錯誤の組織にも変革のうねりが見え始めたように思います。
変革のうねりが、裁判所・検察・警察、全体を飲み込むまで、この流れを持続させなければなりません。
真実をお伝えすることで、私は、その一翼を担っていきたいと思います。





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