司法では フィクションが横行!
といいますのも、私自身、国家賠償訴訟の二審判決(仙台高裁 大橋弘裁判長)で、判決の趣旨に合致するように、私の主張の趣旨をねじ曲げて判決理由に書かれたということがありましたので、今さら司法のデタラメぶりに驚かされるようなことは何もないのです。
郵便不正事件では、検察の描いた“ストーリー”に合うように、証拠が改ざんされたということが盛んに言われていますが、この“ストーリー”という表現に、しばらく前にアップした記事のことを思い起こしました。
その記事の中で、国家賠償訴訟の証人尋問の際の、国側の証人の証言の様子を、次のように表現していました。
「国側は、二人の証人が嘘をもっともらしいストーリーに作り上げ、よく暗記したせりふをとうとうと述べているという感じでした。 」 ( 「仕組まれた? 証人尋問」 2008年05月23日の記事より)
また、司法のデタラメ振りを痛感させられた一審判決についてについては、次のように振り返っていました。
「いくら客観的な証拠に基づいて主張を展開しても、裁判官の描いたストーリーにそぐわない原告(私)の主張は、証拠として採用されなかった。
一方、どんなに二転三転する矛盾した主張を繰り返していても、そのストーリーに合う被告(国)の主張は採用された。(福島地裁いわき支部判決 高原章裁判長) 」( 「小沢氏の政治資金捜査の前に 司法の公平性の検証を」 2010年01月20日の記事より)
無理な筋書きのストーリーであっても、それに合わせて証拠を採用するという正に大阪地検特捜部と同じ手法に、すでに私が気がついていたということがお分かりいただけると思います。
これらが、まったく偶然に起こった出来事であるとは、到底、考えられません。
つまり、はじめに司法に都合がよいストーリーを作り上げ、そのストーリーに当てはまる証拠だけを、たとえ信用性がない証拠であっても採用するという手法は、司法関係者の間では、ごく当たり前に行われていたのではないでしょうか。
初めのページでお伝えしているとおり、理系出身の私は、客観的な実験データ(事実)に基づいて、考察した論理に矛盾がないかを、あらゆる角度から検証を重ね、ひとつの結論を導き出すという手法を常識として捉えていますので、裁判の手法は、実に不可解極まりないものだったのです。
仮に、自然科学の分野でインチキをしたなら、直ちに重大な結果を引き起こし、生命を脅かす事態にもなりかねません。
ですから、自然科学の場合は、十分な検証を重ね正確に判断することが常に要求されます。
その点、司法の場合は、インチキの判断をしたとしても、死刑判決でもない限り、人命にかかわることはありません。そこに曖昧さが入り込む余地が生じ、恣意的に利用される危険をはらんでいるのです。
ですから、司法を監視する機関が、是非とも必要なのです。
大阪地検特捜部の事件で、もうひとつ気になることがあります。
この事件が、証拠を改ざんした検事ひとりの問題なのか、それとも組織全体の問題なのかという点です。
この真相を探る手掛かりになるような出来事が、つい最近ありました。
国家賠償訴訟で、証拠を捏造した労働基準監督署の職員を刑事告訴していたのですが、その告訴状の受理を巡る経緯から組織の様子をうかがい知ることができます。
6月初めに告訴状を提出しようとしたところ、内容を厳重にチェックされた後、上司にお伺いを立て、さらに本庁にお伺いを立てた上で、7月初めにやっと正式に受理されました。
告訴状を提出したのが、福島地検いわき支部ですので、本庁というのがどこを指しているのかは不明ですが、かなり組織の上の方までお伺いを立ててから受理されたことは確かです。
ちなみに、国家賠償訴訟の場合は、法務省の訟務検事が被告代理人を務めますので、下手をすれば身内に火の粉が降りかかることにもなりかねないので、慎重だったのかもしれませんが・・・
ですから、検察組織としての上下の指示系統が確立している様子がうかがえ、証拠の改ざんの事件も、改ざんした検事一人の問題として処理してはいけない問題であると考えられるのです。
そもそも、この郵便不正事件というのは、昨年、小沢民主党政権誕生を阻止するために、犯罪とはいえないような事件で小沢氏周辺を逮捕しまくった一連の事件のひとつであって、検察が組織的に事件をでっち上げているという印象を強く受けます。
ですから、この郵便不正事件に限らず、小沢氏周辺事件をすべて検証する必要があると、個人的には考えています。
ありもしない事件をでっち上げる一方で、明らかに犯罪である事件を握り潰しているという現実を、是非、多くの方に知っていただきたいのです。
中には良心的な裁判官や検察官もいるでしょうし、すべてが悪いというわけではありませんが、組織全体を見渡した場合に、恣意的な捜査や判断が行われており、法の下の不平等がまかり通っていることは事実なのです。





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