不公正な国家賠償訴訟
裁判所と法務局のダブル不正によって行われた国家賠償訴訟の闇を暴きます
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国家賠償訴訟
原発事故の国家賠償訴訟の前に ちょっと待って!!
今年も、あと2日となりました。
昨年の大晦日には、福島地方法務局による証拠差し替え事件の処分通知書が、福島地検いわき支部から届きました。
その数日前から、法務省からのアクセスが立て続けにあったので、法務省の指示であることは間違いありません。
とにかく、文書を送りつけるタイミングにこだわる法務省・検察、それだけ、自分たちのやっていることに自信がないということの表れではないでしょうか。
今年9月、仙台高検に送った2通の異議申立書と1通の告訴状については、まだ返事がありません。年内に、なにか動きがあるでしょうか。
「ヒラメ裁判官」という言葉かあることからも、裁判官が国の意向に沿った判決を出すことは周知の事実でありますが、
法務局が、本来の証拠と捏造された証拠を差し替えるという不正を積極的に行ってまで国を勝訴させようとすることは、国家賠償訴訟が完全にまやかしの制度であるということの証明でもあるのです。
不正な国家賠償訴訟をやり易くしているのが、欠陥の多い民事訴訟法です。民事訴訟法と民事訴訟規則、一審と二審の手続きの違いなど突き詰めて検証してみると、上告の際の手続きに問題点があることに気がつきます。
まさに上告詐欺の温床が、ここにあったのです。
“上告詐欺”がやり易くできている民事訴訟法!
国を勝訴させるために、裁判官や法務局の被告代理人は、リスクを恐れず平然と不正をします。
それは、告訴されても起訴されないという暗黙の了解があるからに違いありません。
見掛け上は合法的に、実質的には不正に不起訴処分にしてしまえるカラクリが、刑事訴訟法と事件事務規程(法務省訓令)に潜ませていたのです。その最も象徴的なものが、事件握り潰しの必需品ともいえる(不起訴処分の理由が書かれていない)「不起訴処分理由告知書」です。
「告訴人、告発人又は請求人の請求があるときは、不起訴処分の理由を告げなければならない」とする刑事訴訟法 第261条と、「不起訴処分理由告知書は、(不起訴処分の理由が書かれていない)様式114号による」とする法務省刑事局の事件事務規程(法務省訓令)第73条2項は完全に矛盾しています。
法務省刑事局の事件事務規程(法務省訓令)の矛盾を証明します!
この事件事務規程(法務省訓令)については、不思議なことに、今年の3月19日に改正されています。
内容としてはほとんど変わりはないのですが、規程のはじめにいくつか条文が追加され、その後ろの条文がずれて条文の番号が変わりました。
上記の規程については、
改正前の
様式114号→
改正後の
様式第119号
法務省刑事局の事件事務規程(法務省訓令)改正前の
第73条2項→
改正後の
第76条2項
に変わっています。
今年初めごろ、「事件事務規程」とか「不起訴裁定」等の検索キーワードによる法務省からのアクセスがたくさんありましたので、事件事務規定の矛盾の指摘を、、法務省は、かなり気にしていたのでしょうか。
条文の番号をずらすことで、事件事務規程を確認してみようとする人を撹乱させようとしたのかもしれません。
自浄作用のない法務省が、事件握り潰しの手段を簡単に手放すはずがありません。姑息な手段で、間に合わせたとしか思えません。
とにかく、統計すらとられていない国家賠償訴訟の実態を周知させ、裁判所と法務局のダブル不正によって行われた国家賠償訴訟の闇を、早急に解明する必要があります。
なぜなら、東京電力福島第一原発の事故に伴う国家賠償訴訟が各地で相次いで提起されていることから、時間と労力を浪費させられた挙句、訴訟費用だけが騙し取られるという更なる被害者を出さないためにも不可欠なことだからです。
仙台高検は、異議申立書にすみやかに回答し、告訴状に対しては起訴し、裁判で真実を明らかにすべきです。
折りしも、この年末、特定秘密保護法が成立しました。国家の不正な制度や行為が、特定秘密に措定され、将来にわたって温存されることがないよう、しっかりと監視していく必要があります。
法務省のHPで、こんなサイトを見つけました。
http://www.moj.go.jp/shoumu/shoumukouhou/shoumu01_00046.html
やるだけ無駄な国家賠償訴訟であることを、自ら公言しているようなものです。
「原発事故 国家賠償」で検索すると、上記のサイトとともに、拙ブログのサイトが上位にランクインしています。
拙ブログを訪れてくださる皆様のご支援に、感謝申し上げます。
今年は、この記事までとさせていただきます。
来年も、よろしくお願いいたします。
皆様、よいお年をお迎えください。
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国家賠償訴訟
捏造を主導したのは誰か? ~ヒントは福島地検いわき支部の豹変~
私の国家賠償訴訟は、当初、国と、2人の公務員個人を被告として訴えていたのですが、これら三者の書面と証拠書類は一字一句まったく同じで、捏造した証拠書類(乙第6号証)が裁判の際に提出されました。
捏造した証拠に代わる本来の証拠が存在することは、被告代理人の福島地方法務局が認めていますし(
不正を 法務局が認めてしまった!!
)、告訴状を受理した福島地検いわき支部の霜山事務官も認めています(
福島地検いわき支部による意図的な証拠隠し
)。
被告らが、本来の証拠と、捏造したものを差し替えて提出したのです。
証拠の差し替えには、被告代理人の厚生労働省と福島地方法務局がかかわっていたことは確かですが、担当の労働基準監督署の職員が自分の不適切な対応を正当化するために、自ら証拠を捏造し、それを被告代理人が利用したのか、あるいは、裁判を有利に進めるために、被告代理人の指示で労基署職員が証拠を捏造したのか、今回、その辺のところを考察してみたと思います。
捏造されたのは、私の電話の内容を記録した書面(乙第6号証)です。
「夫の長時間労働を労働基準監督署に相談したところ、それが原因で夫が退職することになった。いったい、どういうことなのか。」と、クレームの電話をしたのですが、その電話の内容が、裁判の際に、監督業務を担当した労基署職員 早坂邦彦によって捏造されて提出されました。
私からの電話は、次のように伝達されました。
私
→
いわき労働基準監督署の
→
担当の富岡労働基準監督署の早坂
川又監督官 (捏造された乙第6号証)
(川又監督官の記録は、
裁判では提出されなかった。)
裁判では、当初、乙第6号証は、私の電話を受けた川又監督官が記録したのであるという主張だった。
ところが、川又監督官の別の文書と筆跡が違うので指摘したところ、川又監督官から連絡を受けた早坂が書き取ったものであると訂正された。
私が川又監督官に伝えた電話の内容には、日付や金額など、細かい数字も含まれていたため、メモなど記録をとっていたはずであるが(本来の証拠)、裁判の際にはそれが提出されず、早坂の作成した乙第6号証のみが提出された。
国家賠償訴訟の根拠となった早坂の監督業務については、不適切な点が多数ありました。
・月100時間を超える時間外労働の相談をしたというのに、当初の確認とは異なる方法で、しかも未払い賃金のことで調べに入った。相談から3か月近くも経ってからの対応であった。
・本来なら一度で済むはずの是正勧告を、期間を分割して二度に亘って出している。(一事不再理の原則(二重処罰の原則)、憲法第39条に抵触する行為である。)
・(後になって判明したことであるが)自らの不適切な対応を批判されないように、言葉巧みに虚偽の説明をしていた。
・是正勧告や、告発をしたがっている様子が、言葉の節々から感じられた。
・労基署が仲介しているのだから、時間外手当のことかと思っていたら、民事の示談で処理した。
・会社の部長を「声のでかいオヤジ」などと表現し、仕事に対する真摯さが欠落していた。
・裁判においても、直接早坂がかかわっていた事柄については、二転三転する主張をしており、行政内部においても嘘の説明をしていたことが窺えた。
とにかく、この担当者だからこそ、起こるべくして起こったといえる事件だったのです。ですから、証拠の捏造も、当然、早坂が自ら行ったに違いないと確信していました。
それで、当初は早坂のみを虚偽有印公文書作成等で刑事告訴したのです。
ところが、この刑事告訴が、新たな扉を開くことになったのです。
事件を担当した福島地検いわき支部の芦沢検事がヘマをしてくれたお陰で、真相究明に向けて大きく動き出すことになったのです。
福島地検いわき支部による意図的な証拠隠し
捏造は、被告代理人の主導で行われたのではないかということを、福島地検いわき支部の対応が強く印象付けることになったのです。
この告訴状の受理は、思いのほかスムーズでした。
しかも、親切にも、事務官が告訴状の不備を指摘してくれ、告訴状の例文が載っている本まで見せてくれ、それにならって訂正するよう指示されました。こうして出来上がった模範的な告訴状は、本庁(福島地検)にお伺いを立てた上で、すみやかに受理されました。
ですから、当然、起訴されるものとばかり思っていました。もちろん有罪を立証するだけの十分な証拠がそろっていたことは言うまでもありません。
福島地検いわき支部も同じ考えでいたでしょうし、早坂の単独犯行だと判断たからこそ、早坂を呼んで事情聴取したのだと思います。
ところが、この事情聴取を境に、事態が一転してしまったようです。
早坂から事情調書した何日か後に、お伺いいしたいことがあるということでいわき支部から通知が届いたので、出向くと、担当の芦沢和貴検事は、私の話を一切聞くことなく、いきなり不起訴処分にすることを告げたのです。
しかも、告訴状には書かなかった詳細な事件の核心部分をこちらから説明しようとすると、いきなり別の話題に変え、私の話を遮ったのです。
この、芦沢検事のあまりに不自然な対応と、いわき支部のあまりの変わり様に、更なる事件の広がりを直感しました。
明らかに、早坂の事情聴取を境に雲行きが怪しくなったと考えられるのです。
早坂は、言葉巧みに嘘をつくようなところがあったので、芦沢検事が早坂に騙されたということも考えられなくはないのですが、最もあり得ることとしては、早坂が、被告代理人の指示で捏造したということを伝えたのではないかと推測されるのです。
早坂の単独犯行という見立てで起訴を想定していたところ、被告代理人の組織ぐるみの関与が判明したので、急遽、不起訴処分にすることに方針転換させたのではないかと考えられるのです。
検察でさえ、被告代理人の法務局がここまで悪質であることを想定していなかったのかもしれません。
さらに、被告代理人は、証拠と整合性のない支離滅裂な主張をすることは平気でも、関連法令や判例を調べ上げることには長けています。一事不再理の原則(二重処罰の原則)を知らないはずがありません。
この原則に違反する、二度の是正勧告を正当化するために、捏造を指示したと考えられるのです。
捏造証拠が早坂から出されたので、被告代理人がそれを利用したのか、あるいは、被告代理人の指示で証拠を捏造させたのか、私個人の力量では推測の域を出ませんが、
いずれにしても、本来の証拠が存在しているにもかかわらず、被告代理人が、捏造証拠と差し替えて裁判の際に提出したことは紛れもない事実であり、国家賠償制度がまやかしの制度であるということの証明でもあるのです。
国家賠償訴訟
国家賠償訴訟の実際と分析
私の国家賠償訴訟では、審判する立場の仙台高等裁判所と、国の被告代理人である福島地方法務局・厚生労働省の双方によって不正が行われ、それぞれ仙台地検と福島地検いわき支部に刑事告訴しましたが、いずれも不当に不起訴処分にされています。
それで、裁判所ルートと、法務局・厚生労働省ルート、それぞれの不起訴処分に対して、事件事務規程(法務省訓令)第191条1項の規定に基づく不服申し立てということで、異議申立書を、9月30日、仙台高等検察庁に提出しました。
これまで、別々の検察庁が扱っていた事件を、ひとまとめに仙台高検に集約することで、事件の全容が明らかになり、国家賠償訴訟が、国家機関による共謀で原告敗訴となるように仕組まれていたということが鮮明になります。
これと同時に、訴訟費用が騙し取られたということで、仙台高等裁判所、最高裁判所、国に対する詐欺罪での告訴状を仙台高等検察庁に提出しました。
それから2か月半が経ちますが、仙台高検からは、何の音沙汰もありません。
裁判所ルートと、法務局・厚生労働省ルート、これらは、いずれも虚偽有印公文書作成等の犯罪です。
虚偽有印公文書作成等の犯罪は、起訴が必至の事件です。
刑事局事件事務規程の欠陥 ~虚偽有印公文書作成・同行使は 起訴が必至の事件~
先延ばしして不起訴処分にしたところで、再度、検察による犯人隠避で、再告訴することができます。
国家機関の共謀による犯罪である限り、不起訴処分が更なる犯罪となり、時効になることはありません。
また、既判力のある確定判決に虚偽有印公文書に該当する部分が含まれるため、同罪の行使が持続されます。
ということは、刑事訴訟法 第253条1項の「犯罪行為が終った時」というのも、当事者が存在する限り永遠に到達することはなく、時効も成立しないのではないかと考えられます。
国家賠償制度が怪しげな制度であることのひとつに、統計がとられていない(とられているかもしれないが公表されていない。)という事実があります。
一部公開されている資料から計算すると、国の完全勝訴は、およそ98%です。
起訴された刑事事件の有罪率99%と同様、異常な数値であり、
刑事裁判がセレモニーと化しているのに対し、国家賠償訴訟は、初めから原告敗訴の結論が決められていると言えます。
国が勝訴するように、被告代理人は、事実関係や証拠を無視して、まずは事件のストーリーを作り上げます。そのストーリに合う証拠だけが取り入れられ、ストーリーに合う証拠がない場合には捏造して補います。
優秀な被告代理人たちでしょうが、その高い能力を持て余して、理詰めで主張を組み立てることは、まずないので、ある程度のストーリーを作るセンスさえあれば、被告代理人が務まるといっても過言ではありません。
ただ、彼らの能力がキラリと光るのは、関連法令や判例を調べ上げることです。小難しい法令を並べ立てることで、矛盾だらけの主張も、もっともらしく聞こえるのです。
本人訴訟では、事件の一部始終がすべて頭の中に入っていますので、矛盾を突くのはお手の物で、実に痛快なことです。矛盾点を突かれた国の主張は、二転三転します。
それでも、二転三転する国の主張を証拠として採用するのが、ヒラメ裁判官のなせる業です。
国家権力がかかわる刑事事件では、事件を引き受けたくない検察や警察が告訴状をタライ回ししたり、仮に受理されたとしても、検察が不当に不起訴処分にして事件を握り潰してしまうのとは対照的に、民事の国家賠償訴訟では、たやすく受理され、裁判が開かれます。
その理由は、3つ考えられます。
ひとつは、刑事裁判では、書面が読み上げられるのに対し、民事裁判では、証人尋問でも行われない限り書面の交換で済んでしうので、公開の裁判が開かれたとしても、その詳細については、傍聴者でさえ知ることは出来ません。
国家賠償訴訟では、国や行政による不正が、外部に知られ難くなっているためではないでしょうか。
ふたつ目は、民主国家・法治国家としての体裁を保つために国家賠償制度が制定されており、実際に裁判が行われているということを内外にアピールするためではないでしょうか。
ところが、国の完全勝訴率98%という数値が周知されてしまえば、国家賠償訴訟の実態を調べる人が現れたり、この制度を利用しようという人は減少することが予想され、制度は形骸化しかねません。そこで、統計情報を伏せておくほうが好都合なのです。
3つめは、労せずして得られる訴訟費用ではないでしょうか。
確かに、一審では何度も裁判が開かれ、10人以上の被告代理人のうち数人は裁判に出席しますので、国の収支という点では、これに当てはまらないかもしれませんが、たった一度の口頭弁論で済んでしまう二審、詐欺同然の上告は、これに該当します。
これらのことからも、国家賠償訴訟が、無駄な時間と労力を浪費させられた挙句、訴訟費用だけが騙し取られる“まやかしの制度”であることが、お分かり頂けると思います。
国から損害を受けた原告は、裁判でも不正をされ、二重に損害を被っているのが実情です。
これまで、不正な裁判を体験された多くの方から、メールやコメントをいただいています。
私の裁判だけが、決して特殊なケースではないはずです。
特定秘密保護法
特定秘密保護法は 国家による犯罪を温存させる!!
野党や国民の多くが反対する中、安倍政権の暴挙によって、特定秘密保護法案が成立しようとしています。
まさに、民主国家の断末魔です。
誰もが被害者になる可能性がある身近な問題として、最も危惧しなければならないのは、
この法案が成立したあげくには、特定秘密の名のもとに国家による犯罪が隠蔽され、不正行為が糾弾されることなく温存され、将来にわたって被害者を生じさせてしまうということです。
当然のことながら、まやかしの国家賠償制度を利用する原告、上告審の大半を占める上告不受理・却下にされた上告申立人などは、その中に含まれます。
ところで、最近、上告詐欺の根拠を明らかにしている下記の記事が人気のようです。
まだの方は、是非ご覧いただきたいと思います。
“上告詐欺”がやり易くできている民事訴訟法!
さて、平成25年11月14日付け中国新聞に、特定秘密保護法案と刑事手続きの関係について、
秘密指定が国家の違法な活動を隠蔽するような場合
にも触れて、たいへん分かりやすく解説された甲南大名誉教授 斉藤豊治氏の評論が掲載されていましたので、ご紹介します。
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中国新聞 平成25年11月14日付 「識者評論」より
罪刑法定主義に反する秘密保護法案と刑事手続き
甲南大名誉教授 斉藤豊治
国会審議中の特定秘密保護法案は、各省庁が「特定秘密」とした情報を、秘密を取り扱う公務員や民間人が漏らす行為を罰する。
秘密だと知りつつ故意に漏らせば10年以下、不注意で漏らせば2年以下の懲役刑が科される。報道関係者ら外部の者が、秘密を取り扱う公務員に対して、情報の提供を求めた場合、方法が行き過ぎと判断されると、10年以下の刑が科される。この法案の刑事手続き上の問題点を指摘する。
第一は、罪刑法定主義の趣旨に反するという点である。刑罰法規には「何が犯罪に当たり、どんな刑罰を科すかは、国会が成立させる法律で決めていなければならない」といううルールがある。これを罪刑法定主義という。
法案では、何が特定秘密かは、国会とは関係なく、行政機関が一方的に指定することになっており、罪刑法定主義の趣旨に反する。
秘密を取り扱う者は、何が特定秘密に指定されているかを知っている。しかし、その秘密指定が国家の違法な活動を隠蔽するものであるような場合、それを明らかにする方法はない。あえて明らかにすると、重い処罰が待っている。
また、報道関係者や一般市民は、具体的に何が秘密か分からない。それでも、公務員らに対して、特定の情報を漏らすよう働き掛けると、秘密漏えいを唆し、あるいは共謀したとして刑事責任を問われ、刑罰は5年以下である。取材が行き過ぎだと判断されると、より重い刑が科される。
第二に、刑事裁判における被告人の人権にも悪影響を与える。被告人は憲法31条などで、適正な手続きに基づく裁判を受ける権利が保障されている。裁判は証拠に基づくものでなければならない。
刑事裁判になれば、この証拠の中に特定秘密が含まれる場合がある。問題となる情報が特定秘密の事項に該当するのか、秘密指定が適正に行われていたかが争点となる可能性がる。弁護人が検察官に証拠開示を請求し、検察官が拒む場合、裁判所は公判前整理手続きで裁定を行い、検察官に証拠提示を命令できる。
その際、裁判所は裁判官室で秘密内容を確認し、被告人・弁護人には内容を知らせないという選択もあり得る。秘密の内容を知った裁判官は守秘義務を負い、それに反して漏らした場合、5年以下の刑を科される可能性があるからだ。
実際には、裁判所は証拠開示を指示することもなく、秘密指定がなされているという外形的な事実、つまり間接証拠から、秘密にする必要性があると推測する方法を選択する可能性が大きい。被告人が、これに反論する証拠を提出することは、事実上不可能である。
結局、秘密指定が適切に行われていないという被告人の主張は、ほとんど認められないことになろう。裁判は、行政機関の長が行った秘密指定を追認する場にすぎなくなる。
法案は、報道・取材への配慮規定と「免責」規程を置いた。しかし、法案は水も漏らさぬ秘密保護を意図しており、秘密の情報は行政の側で「蛇口」を締められ、取材は困難となる。懲役10年を覚悟して、疑問の多い秘密情報をメディアに提供する公務員は、皆無に近いだろう。
斉藤豊治
42年福井市生まれ。東北大教授、大阪商業大教授などを歴任し、弁護士登録。専門は刑事法。著書に「国家秘密法制の研究」「大災害と犯罪」など。
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