不公正な国家賠償訴訟
裁判所と法務局のダブル不正によって行われた国家賠償訴訟の闇を暴きます
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刑事告訴
警察・検察に対しても不信感を増幅させた1年!
ブログをはじめて3回目の年末を迎えますが、今年も皆様から、たくさんのアクセスや有意義なコメントをいただき、感謝申し上げます。
ブログを始めた当初は、司法の話題など、かなりマイナーな部類に属している感じでしたが、政権交代に伴う小沢氏周辺事件や郵便不正事件での証拠の改竄、明らかになる冤罪事件、裁判員制度・・・、検察や司法を取り巻く社会的な変化や国民から向けられる厳しさが増すにつれ、一気に注目度が高まってきました。
国民から信頼されるはずの検察や裁判所が、実はそうではないということが、国民の間に徐々に浸透してきたようです。
特にネットを中心に、そのような言論が形成され、大きなうねりへと発展しつつあるように思います。
個人的には、今年は、国家賠償訴訟から派生した2つの事件を刑事告訴し、それに明け暮れた1年ではありましたが、これまで抱いていた裁判所に対する不信感のみならず、警察や検察に対しても不信感を増幅させる結果となりました。
知れば知るほど、日本は民主国家でも法治国家でもないということ、国家の根幹の部分が病んでいるということを痛感いたします。
今後も、真実と正義に基づいた情報発信を続けることで、真の民主国家・法治国家を手に入れるための一翼を担っていければと思っております。
今年は、この記事でまでとさせていただきます。
みなさん、よいお年をお迎えください。
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刑事告訴
不起訴処分の理由って いったい何なの??
労働基準監督官Hによる証拠捏造事件で、検察が捏造したものかどうかの鍵となる重要な証拠の存在を隠して虚偽の説明をしたことに対しては、しっかり説明していただく必要があり、その説明を求めるはがきを、先月10日、福島地検と福島地検いわき支部に郵送しましたが(詳しくは
「不起訴であれば事件の拡大は必至です!」
をご覧ください。)、一向に返事がありません。
それで、今週の21日、近くまで出掛けたついでに、福島地検いわき支部に立ち寄ってみました。
今回は、これまで面識のない事務官の親分のような方が対応されました。
どの程度、この事件のことを知っているのか分かりませんでしたので、事件の概要をあれこれ話し始めたのですが、おおよそのことはご存知だったようです。
ところが、まったく理屈が通用しません。
これはダメだと思い、翌日、福島地検に苦情を伝えたのですが、これもまた、前日の事務官とほとんど同じうような対応でした。
事件の核心部分を単純化すると、次のようになります。
A
私
→
B
いわき労働基準監督署の川又監督官
→
C
富岡労働基準監督署のH
(霜山事務官から記録の存在を確認。
)
(証拠を捏造)
私の電話の内容が、
A
→
B
→
C
と伝達されるうちに、まったく異なるものに変化してしまった。
捏造されたと主張するA、捏造していないと主張するC、それぞれの主張が異なるとき、Bの記録が存在すれば、どちらの主張が正しいのか、一目瞭然である。
10月26日の芦沢検事の説明の際に、不起訴処分の根拠について尋ねたところ、
Bについては一切言及せず、「Cがしっかり説明している。捏造した、しないで水掛け論になる。だから不起訴にする。」ということであった。
ところが、翌朝、霜山事務官に確認したところ、
Bの記録の存在が明らかになった。
ここで、10月26日に、Bの記録のことについて、なぜ、私の方から言及しなかったのかと不思議に思われる方もいらっしゃると思いますし、私自身も、なぜ、そこまで頭が回らなかったのか不思議なのです。
私が、「裁判では、当初、捏造された乙第6号証は、私の電話を受けた川又監督官が記録したものであるという主張だったが、川又監督官の別な文書と筆跡が異なるので指摘したところ、川又監督官から連絡を受けたHが書き取ったものであると被告の主張が変わった。」というところまでは、確かに話した記憶があるのですが、そこから先が続かなかったのです。
なぜなのか考えてみると、芦沢検事と話しているとき、突然、それまでの話の流れとは異なる質問をされたことがあったのです。
その質問というのが、「なぜ、告訴するまで時間がかかったのですか?」という趣旨の、どうでもいいような質問でした。唐突な質問だったため、私は、その答えに意識が集中し、それまで話していたことを、すっかり忘れた状態だったのです。
たぶん、前述の川又監督官のことに私が触れた直後に、意図的に話をそらされたのだと思います。
だから、肝心な話をし損ねたのだと思うのです。
Bの記録があれば、A,Cどちらの言い分が正しいのか一目瞭然で、水掛け論になったりすることはない。
つまり、前日の芦沢検事の不起訴処分にする根拠は、論理的に破綻したことになる。
この部分の説明を求めたのですが、いわき支部の事務官も、福島地検も、
「不起訴の理由については、すでに説明いている。」の一点張りです。
芦沢検事の説明の後に、Bの記録の存在が明らかになり、芦沢検事の説明は、すでに破綻している
と、いくら言っても、一向に解そうとせず、バトルを繰り広げる羽目になりました。
しかし、理屈の通らないことを、よくも平然と執拗に言い続けられるものかと・・・
思考が停止しているというか、なんというか、その神経は、とても理解できません。
自然科学に携わる者はもちろんのこと、他の分野でも、このような人種はいないでしょうね。
だいたい、理屈のと通らないことを無理やり推し通したところで、それ以上の進歩や発展は全く期待できませんし、それどころか、重大なトラブルや事故に繋がる危険性もあります。
こんなことを平気でするのは、警察、検察、裁判所ぐらいしかいません。
さらに、いわき支部も福島地検も、不起訴処分に不服があるのなら検察審査会に申し立てたらということですが、その前提として、不起訴に値するものかどうかということが問題となります。
不起訴処分にする合理性のある理由がなんら示されていないわけですから、不起訴を受け入れるわけにはいません。
(処分通知は受け取り拒否で突き返しています。)
検察官に起訴便宜主義の裁量権が与えられているとはいいましても、国家賠償訴訟において、行政の職員にデタラメな証拠が提出され、公正な裁判を受ける権利を妨害されたのです。
前回まで3回連続で、小室直樹氏の
「田中角栄の遺言」
から、近代民主主義についてお伝えしてきましたが、
デモクラシーの目的は、絶大な国家権力から、いかにして人民の権利を守るかにあります。そこで重要な役割を演じるのが司法権力(裁判所)なのです。
ところが、その裁判において不正が行われたのですから、検察は、より厳正に判断する必要があります。根拠もなく不起訴処分では、近代民主主義の根本原理に反しますし、法治国家として機能していないことになります。
小沢氏の東京第五検察審査会で、検察審査会自体が信用できないということが、世間に知れ渡ってしまいましたが、
仮に検察審査会に申し立てるにしても、検察の説明が矛盾しており、何を根拠に不起訴処分にしたのか、全くつかみどころがありませんので、申し立ての仕様もありません。
この点については、今後も、検察を追及していきます。
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日本が法治国家ではないということを証明するような出来事がありました。
是非、記事・コメント共にご覧ください。
「まさに八百長国家、証拠を換算した前田前検事、容疑不十分で不起訴となった。」
(特別公務員職権濫用罪)
政治と司法
日本の裁判所も検察もデモクラシーの原理をわきまえていない!
前回
は、小室直樹氏の
『田中角栄の遺言』
より、角栄氏に対する捜査・裁判がいかに異常であったかをお伝えしましたが、すでに過去の事件となってしまったこの事件を敢えてご紹介した理由は、ほかでもない、法律や「法の精神」に最も厳格であるべき検察や裁判所が、それらを全く無視して暴挙に出たということを知っていただくためです。
国民に対しては法律の遵守を求め、違反したときは厳格な刑罰を科しておきながら、自らは刑事訴訟法や憲法を無視した適法性に欠ける手続きで事件を処理しており、そのようなことが現在に至るまで受け継がれているのではないかと推測されます。
これまで当ブログでお伝えしてきたデタラメな国家賠償訴訟や検察の恣意的な判断が、起こるべくして起こっていると考えられるのです
。
田中角栄前首相(当時)がターゲットになるという日本中の国民が注目していた裁判においてさえ、刑事訴訟法や憲法を無視した裁判がいとも簡単の行われたのです。
しかも驚くべきことは、
適法な手続きによらない裁判により角栄氏の人権が蹂躙されているにもかかわらず、それを論ずる新聞もなければ、憲法違反を発言するものもいなく、そのような裁判が、国民にすんなりと受け入れられてしまったことです。
なぜ、このような不思議なことが起こったのでしょうか。
その背景について、今回も、
『田中角栄の遺言』
からご紹介します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異常とも言うべき角栄氏の裁判が国民に受け入れられた背景は、
日本人に近代的法意識(リーガル・マインド)を欠いている人が多いからである。
デモクラシーの要諦は、為政者(現役の権力者)の権力から在野の人の基本的人権を守るにある。
日本人は、このデモクラシーの根本命題を知っていない。
欧米などのデモクラシー諸国と日本人では、法意識に大きな違いがあります。
裁判に対する意識の違いをまとめました。
【デモクラシー諸国の裁判】
裁判が始まれば、学者評論家は発言を控え、マスコミも、ごく簡単な経緯しか報道しなくなる。
予断が入って、裁判官の心理に影響が及ぶと、公平な裁判ができなくなるからである。
【日本の裁判】
検事が求刑しただけで被告を有罪と決めつけてしまう。角栄氏の場合には、マスコミがいっせいに角栄有罪と書きたてた。
対照的な例として、ニクソン大統領のウォーターゲート事件と角栄氏のロッキード事件を比較してみると、根本的な違いが明確になります。
【ニクソン大統領の犯罪】
(当時の立場)
大統領・・・現役の権力者
(告発者)
マスコミ
マスコミは権力の告発者としての任務を立派に果たしており、
これを受けて議会は、議会の責任において権力者ニクソンを追及し、
辞職に追い込んだ。
(検察の役割)
脇役の脇役ぐらいを演じたにすぎない。
検事は行政官僚にすぎず、行政のトップにいるのが大統領。
同じ行政のひとつ穴の狢(むじな)では徹底的な追及が期待できない。
(犯罪を追及の主体)
立法府たる議会と在野のマスコミ。
為政者(政治権力者)を、在野の人びとが弾劾した。
デモクラシーの原理をわきまえている。
【田中角栄首相の犯罪】
(当時の立場)
前首相・・・行政権にタッチしておらず、現役の権力者ではない。
(犯罪の追及の主体)
行政権力たる検事に、司法権力たる裁判所が加担した。
検事は行政権力にすぎないので、行政権力者たる首相の矛先である。
検察が求刑するや否や、マスコミも国会議員も国民も有罪と決めつけた。
日本人は、為政者(現役の権力者)の権力から在野の人の基本的
人権を守るというデモクラシーの原理を分かっていない。
ここで注目すべきことは、二人の立場の違いだ。
為政者(現役の権力者)であるニクソン大統領と、絶大な権力を有するといっても、当時、行政権にタッチしていない在野の角栄氏。
デモクラシーの目的は、絶大な国家権力から、いかにして人民の権利を守るかにある。
この目的のために、国家権力を、立法、行政、司法の三つに分け、互いに牽制させて、バランスをとらせる。
ここで、
人民の権利を行政権力から守るために、決定的に重要な役割を演じるのが司法権力である。裁判所の主機能は、行政権力から人民(国民)の権利を守ることにある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
デモクラシーの原理をわきまえていれば、立場の違いでそれぞれに対する姿勢がおのずと決まってくるはずなのです。
ところが、
角栄氏の裁判では、行政権力たる検察に、司法権力たる裁判所が加担したのですから(詳しくは
「田中角栄氏の『暗黒裁判』」
をご覧ください。)、検察も裁判所もデモクラシーの原理を全く理解していないということになります。
刑事裁判の有罪率が99%、国家賠償訴訟の国の完全勝訴率が98%という状況からも、角栄氏の裁判だけが特殊なケースであったとは、決して考えられないのです。
日本においては、国民はおろか、検察官や裁判官でさえも、デモクラシーの原理をわきまえていないのです。
『田中角栄の遺言』の復刊
政治と司法
田中角栄氏の「暗黒裁判」
昨年3月の記事
「サンプロ出演の田中真紀子氏 司法の本質をズバリ!」
では、真紀子氏が、田中角栄氏のロッキード事件の裁判を批判したことについてお伝えしましたが、先週に引き続きお伝えしている小室直樹氏の
『田中角栄の遺言 (官僚栄えて国滅ぶ)』
の最終章「第六章 暗黒裁判だった角栄裁判(江戸時代のままの日本人の法意識こそ問題)」を読むと、角栄氏の事件の捜査・裁判が、いかに異常であったかが理解できます。
独自にそれぞれの項目に分けて、まとめてみました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1 この事件を一言でいうと
(ロッキード社の旅客機の受注をめぐって1976年2月に明るみに出た大規模な汚職事件で、日本やアメリカ、オランダ、ヨルダン、メキシコなど多くの国々の政財界を巻き込んだ。)
『田中角栄の遺言』で取り上げているのは、ロッキード社副社長のコーチャン氏が、田中角栄首相(当時)に賄賂を贈ったというものである。
2 奇妙奇天烈な事件の発端
1976年2月、隣の会計事務所に行くべきロッキード社の秘密文書の郵便物が、ロッキード社を目の仇とするチャーチ委員会(米国多国籍企業小委員会)に誤配され、チャーチ委員会によって、ロッキード事件は告発された。
※
これ以降、日本の角栄氏の事件についてのみ、お伝えします。
3 「暗黒裁判」と言われる一つ目の理由が 『嘱託尋問』
ロッキード社のカネが日本国内に持ち込まれたという事実、それ以降の日本国内における金銭の授受についての物証の裏付けはなかった。
コーチャン氏の自白だけが唯一の根拠であったが、日本側で直接事情聴取できないため、三木内閣は、ロサンゼルス連邦地裁にコーチャン氏を召喚し、供述させて得られた証言の記録を日本に引き渡すよう要求した。
ロサンゼルス連邦地裁が出した条件は、どんなことを証言しても贈賄罪、偽証罪で起訴しないという刑事免責を保証するのなら、要求に応じるというものであった。
しかも、日本政府や検事だけの保証では当てにならないので、最高裁が刑事免責を保証するのならOKということであった。
日本にはこのような司法取引がないが、1976年7月24日、最高裁裁判官会議は、米側証人の刑事免責保証を決議した。
4 「人権蹂躙」の別件逮捕
1976年7月27日、角栄氏を逮捕。
容疑は、全日空のトライスター機種決定という五億円収賄容疑の逮捕ではなく、外為法違反という形式犯での別件逮捕であった。
別件逮捕の理由は、角栄氏逮捕の時点で、検察側に必要な証拠もなく、起訴の自信もなかったからである。
5 暗黒裁判」と言われる二つ目の理由が 「反対尋問(審問)の機会」なきままの有罪判決
裁判所での証言は正しくなされなければならず、証人は宣誓させられ、嘘をつけば偽証罪に問われる。
米英はじめデモクラシー諸国における偽証罪はきわめて重く、社会的制裁も厳しい。
だから、世の「嘘つき」も、証言だけは嘘をつかないよう心掛けるが、さらに重要なのが反対尋問である。
検察側の証人に対しては、弁護側が反対尋問をして嘘を暴くべく努める。反対尋問こそデモクラシー諸国における裁判の要諦である。
憲法第37条2項には、「刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与えられる・・・」とあり、これこそ、「デモクラシー憲法」の急所である。
田中角栄氏の裁判では、コーチャン氏に対する弁護側の反対尋問の要求を、東京地裁は、その必要なしと却下した。ただの一度も最重要証人に反対尋問する機会を与えられることなく、有罪判決がなされた。
角栄裁判では、デモクラシーの根本原則が真っ向から否定され、明白な人権蹂躙であった。
6 行政権力と司法権力の野合であるロッキード事件
検察が、前例にない方法によって角栄氏逮捕に踏み切り、強引に裁判を行ったということは、誰が推理しても、何か大きな闇の力が働いたとしか言いようがない。
その一つが、角栄氏を「金権問題」で引きずりおろしたものの、彼は依然として日本最強の政治家であり、なんとしても潰さなければならないというエスタブリッシュメント側(政権)の意向であろう。
それを裏書きするのが、上記の3の三木首相のすさまじい要求であろう。
7 引き延ばしにされた最高裁判決
角栄氏の裁判は、一審、二審で有罪となり、最高裁は判決を引き延ばしにし、最終判決の前に、田中角栄氏は亡くなった。
最高裁は、有罪を確定させることだけはしなかった。だが、無罪にはしなかった。
以上が、角栄氏がかかわるロッキード事件の経緯と捜査、裁判の一連の流れですが、ここで最も重要なポイントは、次の二つです。
① 外国の裁判所に尋問を嘱託して、それを証拠として採用するなどということは、日本の刑事訴訟法では規定されていない。
② 憲法第37条に違反し、反対尋問されなかった証言そのものに効力はない。(これが「法の精神」)
デモクラシー裁判のエッセンスは、適法な手続きである。この手続きにほんの少しでも欠点があれば、刑事裁判における被告は無罪である。
この大原則を無視した角栄裁判は、デモクラシーの死を意味している。
「刑事訴訟法の無視は“野蛮国”の証明」
というサブタイトルのところには、次のように記されています。
角栄裁判は、憲法違反の物的証拠なき、違法で信頼がおけない自白しか証拠のない暗黒裁判である。この暗黒裁判で角栄氏は殺され、デモクラシーも殺された。
以上が、
『田中角栄の遺言 (官僚栄えて国滅ぶ)』
からの引用です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本は三権分立が機能しておらず、民主国家・法治国家とは言い難い状況にあるとことを実感していましたが、知れば知るほど、前近代的な野蛮で恐ろしい国であるという認識が強まります。
次回は、引き続き
『田中角栄の遺言 (官僚栄えて国滅ぶ)』
から、英米等のデモクラシー諸国と日本の法意識の比較をお伝えする予定です。
『田中角栄の遺言』の復刊
政治と司法
柳田前法相「2つ覚えて・・」発言は 「デモクラシーの死」を表現
つい最近、「国会での答弁は2つだけ覚えておけばいい。」 「個別の事案についてはお答えを差し控えます。」 「法と証拠に基づいて適切にやっています。」 などと発言した実に正直な法務大臣がいましたが、このことは、
まさしく日本のデモクラシー(自由民主主義)が、すでに死に絶えていることを如実に物語っています。
などと申し上げると、何か偉そうな政治学者みたいに思われるかもしれませんが、実は、小室直樹氏の
『田中角栄の遺言 (官僚栄えて国滅ぶ)』
を読むと、その辺のことがよく理解できます。
最近よく小室氏の本を引用させていただいていますが、興味をもつきっかけとなったのが、ブログを通じて知り合ったある方の紹介です。
小室氏の本を1冊読んだだけで、すっかりファンになってしまいました。
その方のご配慮で、今では中古本しか出回っていないような貴重な本の数々を読む機会を与えていただいたのですが、小室氏の本を読んでいると、必ずといっていいほど、現代社会の問題点に深く通じている部分に遭遇します。
そして、それらが、すべて正鵠を射ているのですから、私もブログで紹介せずにはいられません。
『田中角栄の遺言(官僚栄えて国滅ぶ)』
から、ご紹介します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
角栄氏の政治哲学というと、「デモクラシーは数、数はカネ」と言われるように、カネで数を獲得する方法のみが強調されているが、
政治家・田中角栄氏の最大の遺産は、立法府たる議会を機能せしめたことに尽きる。
具体的には、議員の本分である議員立法を行ったことだ。
つまり、立法のための舞台もシナリオも角栄氏が作る。監督も角栄氏だ。そこまでお膳立てされた役人は、角栄氏の命ずるままに働くしかない。
角栄政治の偉大さは、役人を自由自在に駆使したところと、雄弁な討論によって議会を制し、議員立法によって日本再建を推進していったことである。
討論こそ議会政治のエッセンス。角栄氏のみが、この神髄を理解し、体得し、実践した。
デモクラシーの眼目は、議会を有効に機能せしむることにある。
議会の最大の機能とは、自由な議論を通じて国策を決定することである。国権の最高機関として立法を行うことである。角栄氏はこれを見事に実行した。
「自由主義とは、政治の権力から国民の権利を守ること。民主主義とは政治権力に国民が参加すること。」 この2つが結合したのが近代デモクラシーである。
憲法の条文には、そのことが盛り込まれているが、実質的に機能していなければ意味がない。
日本は、近代民主主義の根本的条件である三権分立が機能していない。
モンテスキューは『法の精神』において、三権分立の思想を定式化した。
近代国家の強大な国家権力から人民の権利を守るために、国家権力を、立法、行政、司法の三権に分け、互いに牽制させて、バランスをとらせる。
所謂、「三権のチェック・アンド・バランシズ」のメカニズムであり、それが法と正義の存立条件である。
三権分立のないデモクラシーはありえない。
角栄氏の死後、日本国憲法は実効性を失ってしまっている。
日本の立法、司法、行政はことごとく官僚に簒奪(さんだつ)され、今、国権を行う者は役人である。
役人が法律を作り、解釈し、施行する。
彼らの視野にあるのは、法律と前例と、自らの権限と昇進のみ。自由な意志、自由な言論とは無縁である。
国権の最高機関であるはずの国会(憲法第41条)は、官僚の傀儡(かいらい)になってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上が、
『田中角栄の遺言』
に書かれている政治に関する部分を極簡単にまとめたものですが、まさに現在の日本は、デモクラシーから程遠い状況なのです。
国会答弁で、議員が官僚が作った原稿を読むのは当たり前、当然のこととして冒頭でお伝えした柳田稔前法務大臣のような発言が飛び出してしまうのです。
もちろん、そのような国会運営を平然と行っている他の議員らには、柳田前法相の発言を批判する資格など全くありません。
今回は、趣向を変えて政治の話題なのかと思われるかもしれませんが、
私が最もお伝えしたいのは、最終章の角栄氏の「暗黒裁判」のことなのです。
それについては、次回お伝えしましょう。
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