一年の初めにふさわしい話題で!


今年もよろしくお願い申し上げます。
一年の始まりにふさわしく、いつもとは違う“さわやかな話題”で始めたいと思います。
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一昨日の大晦日に、素晴らしいニュースが飛び込んできました。
日本の理化学研究所が人工的に作り出した113番目の元素が国際機関によって新たな元素として認定され、元素の「名前」と「元素記号」を付ける権利が日本に与えられました。元素の命名は、これまで欧米とロシアに限られ、アジアでも初めての快挙です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151231/k10010357661000.html
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これを見越してのことかどうかはわかりませんが、12月中旬ごろ、Amazon のサイトを見ていたところ、「おすすめの本」のところに、「元素周期表で世界はすべて読み解ける~宇宙、地球、人体の成り立ち~(吉田たかよし著)」という本が表示されていました。
「今さら周期表?!」という感じでしたのでやめておこうかと思ったのですが、多くの人が★5つをつけていますし、電子書籍の価格が307円と安かったので、とりあえずは読んでみることにしました。
それが、なかなかの素晴らしい本でした。
宇宙の創生という超マクロな世界から、人間の誕生、さらには、精密装置としての人体のミクロな器官まで、この世に存在する物質は化学反応で説明でき、その摂理が元素周期表に凝縮できるということが書かれています。
宇宙の一部から地球ができ、地球の一部から海ができ、海から生命が誕生し、それから38億年というとてつもなく長い時間をかけてここまで進化してきたのですが、その進化の歴史は電子の軌道による化学反応の可能性を試す期間であるというのですから、現在、私たちがこのような形で存在していることの意義・偉大さに今さらながら驚かされます。
周期表の配列や化学反応の基本的なメカニズムなど、化学を少しでもかじったことがある人にとっては特に目新しいことは書かれていないのですが、壮大な宇宙の歴史の中で地球や人間が形成され、その私たちの体には宇宙の成り立ちの痕跡が残っており、それらが元素周期表から読み解けるという、これまで考えてもみなかったつながりとメカニズムにハッとさせられます。
さらに、原発事故による内部被曝、リチウムイオン電池に使われるレアメタルのことなど、ホットな話題も盛り込まれています。
改めて周期表を作った人の偉大さを感じます。
量子化学を専攻した後、NHKアナウンサーを経て医師になったという異色の経歴の著者ならではの化学の世界の捉え方と、理路整然としたわかりやすい語り口に、感心させられます。
化学や物理が苦手という方にも、そうでない方にも感動を与える内容だと思います。
moonrainbow さんのブログ「宇宙の旅人」を、いつも楽しみに拝見させていただいておりますが、そこで語られている宇宙の現象が、とてつもなく遠い未来の生物の誕生にも影響を及ぼすかと思うと、ワクワクしてきます。




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