集団的自衛権の違憲決定請求訴訟は 違憲判決!!
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集団的自衛権無効の却下確定=閣議決定めぐり―最高裁(時事通信)
集団的自衛権の行使を容認した昨年7月の閣議決定は違憲だとして、元三重県職員の珍道世直さん(76)=津市=が閣議決定の無効確認を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は29日付で、珍道さん側の上告を棄却する決定をした。
訴えを却下した一、二審判決が確定した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150731-00000159-jij-soci
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内容としては、閣議決定は違憲だとして、閣議決定の無効確認を求めた訴訟(違憲決定請求訴訟)。
判決は、「訴えが不適法でその不備を補正することができない」ことを理由として却下した。
このニュースはネットで小さく報道されていますが、本来なら、マスコミが重大なニュースとして大々的に報道し、国民的な議論を喚起しなければならなりません。
NHKをはじめとする既存のマスコミは、政権寄りの偏向報道が目につき、報道機関としての使命をまったく果たしていません。
冒頭の報道から詳しいことはわかりませんが、この判決の基本的な考え方は、1952年に鈴木茂三郎氏(日本社会党委員長)が、警察予備隊の設置は憲法9条の平和主義に反するとして、直接最高裁に訴えた警察予備隊違憲訴訟の大法廷判決に基づいていると考えられます。
違憲審査権は、その性格から抽象的審査制と付随的審査制の2つがあるそうで、警察予備隊違憲訴訟では、この2つの性格のうち、どちらであるかが争われましたが、この点については省略します。
詳しく知りたい方は、「憲法をわかりやすく」というHPに図解入りでわかりやすく書かれていますので、そちらををご覧ください。
http://consti.web.fc2.com/16shou4.html
この判例では、違憲審査をするにあたって具体的な争いを前提とし、それに法を適用して争いを解決させることが必要だとしているのですが、判決は、具体的な権利義務や法律関係がないため、裁判所の審査権が及ばないとして却下されました。
最高裁判所大法廷判決ということですが、はたして、この判決が示すように、警察予備隊違憲訴訟には、具体的な権利義務や法律関係がなかったのでしょうか

この判例と極めて類似した冒頭の集団的自衛権無効確認の訴訟について、具体的な権利義務や法律関係があることを、T_Ohtaguro様が証明してくださいました。
詳細に書くと長くなってしまうので、簡単に紹介します。
訴訟を提起できる資格について

(関係する法規「行政事件訴訟法 第一章 総則 第五条より)

(社会契約の当事者たる国民に該当すること〔国民主権〕によるものと解される。)
憲法 第32条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
憲法 第81条
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
憲法 第98条
この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
よって、憲法 第三十二条により「裁判所〔憲法に適合するかしないを決定することができる権限を有する終審裁判所を含む〕において、裁判〔憲法に適合するかしないかを決定することを含む〕を受ける権利〔司法権の行使〔法令の適用〕から生ずべき福利〕」を奪うことはできない。
詳細を知りたい方は、下記のサイトをご覧ください。
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n353121
ということで、最高裁判所及び下級裁判所は、憲法違反かどうかを判断しなければならず、却下あるいは棄却と判断した冒頭の集団的自衛権の行使容認の閣議決定についての違憲決定請求訴訟は、この判決自体が違憲判決ということになります。



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