原発事故の情報操作と世論誘導
東京電力福島第一原発周辺の津波の高さが、その周辺に比べて突出して高いというのです。
東電は津波の高さを14~15メートルと発表していますが、周辺の相馬市磯部では6,86メートル、いわき市豊間では9,2メートルで、福島県内の津波の高さは、10メートル未満ですから、東電の発表は、かなり怪しいことになります。
公表された写真や衛星写真の様子から、専門家も、実際には10メートル程度だった可能性があるとみているそうです。
津波の高さには、津波が地面をどれくらい覆ったかを示す海面からの高さの「浸水高」と、海水が斜面を駆け上がったときときの「遡上高」があり、東電は、浸水高が14~15メートル、遡上高も14.5メートルとして、想定していた5,7メートルの3倍近く超えたと、高さを強調してきたのです。
この記事を読んで、即座に、「福島原発メルトダウン 広瀬隆」 に書かれていた地震のマグニチュードのことが思い浮かびました。
気象庁が発表した東北地方三陸沖地震のマグニチュードが次々と引き上げられ、怪訝に思いましたが、そのことについての記述です。

当初の発表では、マグニチュードは暫定で8,4、やがて8.8に修正され、最後に9,0にまで引き上げられました。
この理由について、地震・地質学者の島村英紀氏の指摘を引用されていますので、そのまま掲載します。
「今回の地震のマグニチュード9,0と言うのは、気象庁がそもそも『マグニチュードの物差し』を勝手に変えてしまったから、こんな前代未聞の数字になったのだ」
実は、マグニチュードの計算法には、いろいろな物差し(種類)があります。これまでの地震はすべて、日本では「気象庁マグニチュード」を採用しており、その計算式(複雑なので省略します)に東北地方三陸沖地震のデータを入れると、「いくら大きくてもマグニチュード8,3か、8,4どまり」と島村さんは指摘するのです。それが9,0にまで上昇した理由は、「日本では学者ぐらいしか使っていない『モーメントマグニチュード』で気象庁が計算し直したからだ」と。
(・・・途中省略・・・・)
なぜ、いままでの物差しを気象庁は突然に、しかも何の説明もなく変更したのでしょうか。そこに私は、科学の真理をねじ曲げる、政治的な介入を感じます。
(「福島原発メルトダウン 広瀬隆」より引用)
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怪しげな津波の高さにしても、地震のマグニチュードにしても、原発を推進してきた政府や東電、御用学者・・・、所謂、原子力村といわれる人たちが、責任逃れのために、次の法律の文言を気にかけてのことなのです。
原子力損害の賠償に関する法律
第二章 原子力損害賠償責任
(無過失責任、責任の集中等)
第三条 原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。

まったく、そのとおりだと思います。
原子力村の人たちにとっては、今回の震災を、何が何でも「異常に巨大な天災地変」に仕立て上げる必要があるのです。

地震のマグにチューードについて、ktpage 様から、気象庁に問い合わせたときの貴重な情報をいただきましたので、コメント欄も、是非、ご覧ください。



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