挙証責任は 検察にあり
ところが、その検索キーワードが、笑っちゃいます。

「裁判 不正」ですよっ

小沢氏の強制起訴を巡って、ネット上では、司法批判の言論が盛り上がっていますが、その対応にでも追われているのでしょうかね。
本題に入ります。
証拠捏造事件で、不起訴処分理由告知書が、先々週、福島地検いわき支部から送られてきたのですが、捏造を決定づける証拠の存在が明らかになった以上、「嫌疑不十分」という不起訴の理由は成立しないということで、文書を添えて、即日、お返ししました。
その文書の中で、①捏造を決定づける記録の存在と、それと矛盾する検事の説明についての釈明、②不起訴にする合理的な理由の提示 の二つを要請しているわけですが、10日以上経っても一向に連絡がありません。
そもそも、この事件は、福島地検いわき支部が単独で処分を決めたとは、到底、考えられないのです。
福島地検、さらには、その上級庁の意向が強く反映されているはずですので、とりあえずは、上記の①②のことを要請する上申書を福島地検に送りました。
いわき支部に提出した前々回の文書とほとんど変わりませんので、一部を公開します。
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上申書
平成23年1月31日
福島地方検察庁 御中
〒○○
○○ ○○
福島地検いわき支部に告訴していた事件(平成22年検 第100549号)について、担当の芦沢和貴検事が、犯行を決定づける重要な証拠を隠して虚偽の説明をしたことに対し、再三、福島地検及び福島地検いわき支部に釈明を求めていますが、未だ明確な回答をいただいていませんので、再度、文書をお送りします。
事件の概略は、次のようになります。
(省略)
つまり、芦沢検事が、捏造したかどうかの鍵となる川又監督官の記録の存在を隠して虚偽の説明をしたことが判明した。
川又監督官の記録が存在すれば、捏造したものであるかどうかは明確で、芦沢検事の説明は、論理的に破綻している。
よって、次のことを要請いたします。
捏造を決定づける川又監督官の記録の存在と、それと矛盾する芦沢検事の説明について釈明を求める。
尚、本件は、行政の職員による裁判での不正という法治国家・民主国家としてあってはならない重大な事件であり、裁判において厳正に判断されるべき事件であり、検察が、不起訴にする合理的かつ明確な理由を説明できないのであれば、すみやかに起訴されるべきである。
本件告訴状を受理する際には、いわき支部から細部の表現等、不備を事細かに指摘・訂正させられた後、本庁(福島地検)にお伺いを立てた上での正式受理であったことから、不起訴処分の決定に際しても、福島地検の意向が強く反映されているものと推測され、前述の件について、明確な説明を求めます。
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検察が不起訴にすらかどうかを決定する際に、考えなければならないことは、不起訴にする根拠、つまり、“捏造されたものではないことを証明する責任”が検察にあるのかどうかが問題になります。
その責任が検察にないとすれば、逆に、“捏造されたものであることを証明する責任”は、私にあります。


「このことが事実であると証明する責任」のことを、難しい言葉では「挙証責任」といいます。
「挙証責任」は、本来、主に刑事裁判で鮮明になることなのですが、捏造事件を不起訴にするかどうかの判断の際にも、「挙証責任」についての基本的な考え方が参考になるはずです。
「挙証責任」のについては、小室直樹氏の 「日本国民に次ぐ(誇りなき国家は、必ず滅亡する)」 の第二章「『従軍慰安婦』問題の核心は挙証責任」のところに分かりやすく書かれていますので、かいつまんでお伝えします。


刑事裁判において、挙証責任(これが事実であるとする責任)は、原告である検察官の側にある。
検事は公開された法廷で被告人が有罪であることを、完全に合法的、かつ「合理的な疑いの余地のない」ほど明確に立証しなければならない。
このことを踏まえて練習問題です。
次のようなケースでは、どちらが勝ちで、どちらが負けでしょうか?
Q1 容疑者(被告)のアリバイは完全に崩された。だが、検事(原告)による
犯罪の証明(この容疑者が間違いなく当該の犯罪を行ったという証明)も
不完全であった。
A 容疑者の完勝、検事の完敗である。
※ 証拠は完璧に現実を証明するものでなければならず、ほんのわずかな
欠陥があっても、その証拠は不完全な物とみなされる。
Q2 被告のアリバイは完全に崩された。他方、原告(検事)が提出した証拠は、
ほとんど完全に近い。だが、ほんの些細なところがちょっと曖昧である。
数字で示せば99,9%まで確実だが、ほんの0,1%が不確か。
A 近代刑事裁判では、被告の完勝、原告(検事)の完敗である。
※ その理由は明白で、挙証責任が原告(検事)の側にあるからである。

(挙証責任のない)被告は、アリバイを証明する必要はないのである。
Q3 刑事裁判において挙証責任は被告(容疑者)側にあれば、どういうことになるか。
A アリバイが成立しないと、(どんな小さな容疑が残っていても)有罪とされる。
すなわち、検事の勝ち、容疑者の負けとなる。

大きく左右される。
刑事訴訟の本来の原告は国家権力であり、検事はその法定代理人である。強力・有力な捜査機関を自由に駆使することができる。これに対して、被告(容疑者)は、いともか弱き一個人である。立場の強弱は平等からほど遠い。ゆえに、公正を期すためには、刑事裁判における挙証責任は、原告(国家)側に負わせなければならない。
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さて、このことを、私の証拠捏造事件に応用すると、どうなるでしょうか


しかも、検察が、捜査機関であるにもかかわらず、裁判所の機能を奪い、(有罪であるはずの)被疑者を無罪にしようとしているわけですから、捏造されたものではないということを100%完璧に証明する責任があります。




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